成果を上げる人と上げられない人、両者の違いはどこにあるのか? 『時間最短化、成果最大化の法則』著者で東証プライム上場企業社長の木下勝寿さんが、「タイパ」(タイムパフォーマンス=時間対効果)を上げるための“黄金の法則”を紹介する本連載。チームとしての目標を達成するためには、自分だけではなく、部下や後輩のタイパを上げていくことが重要です。今回は、時間最短&成果最大でチームを強くする方法を解説します。
(1)一代で時価1000億企業に!成果を上げる人のタイパ術
(2)スケジュール管理能力が低いチームのタイパは上がらない ←今回はココ
(3)「指示待ち部下」もフル活用、結果出すリーダーの仕事術
第1回では、思いついたら即行動する、タイパの基本「ピッパの法則」と、時間効率を上げるタスク管理のコツを紹介しました。その上で、仕事で成果を上げ続けるためのスキルとして、とても重要なのが「スケジュール管理能力」です。成果を生むためには、日々変わる状況に合わせてタスクを整理する必要があります。要は、「航海図を描く力=見積もる力」のようなもので、地図が正確であるほど安全に目的地へとたどりつくことができる。この「航海図」の精度をいかに上げていくかが、短時間で最大限の成果を上げるポイントです。私自身、毎朝必ず15分ほどをスケジュール調整の時間に充てて、その日のToDoを更新しています。
チーム全体のタイパを上げたいときは、まず、部下がどのようにスケジュール管理を行っているかを見直すといいでしょう。スケジュールの管理が未熟な部下に対しては、1on1(ワンオンワン)ミーティングで時間をつくってでも、スケジュールの組み立て方やタスク管理のやり方を具体的にアドバイスしたほうがいい。部下のスキルが培われるまでの期間は、時間をかけてでも丁寧に行う価値があると私は考えています。こうしたやりとりは、教える側にとっても気づきが生まれることも多く、双方にメリットがあります。
タスクの遂行力に不安がある部下はメモを見れば一目瞭然
仕事で成果を出せない多くの人に共通しているのが、「物事を曖昧に捉えがち」ということ。大事なポイントを正確に押さえて理解することができず、イメージを明確に共有できていないとやり直し作業が増え、大きなトラブルを招く原因になり得ます。
そもそもなぜ行き違いが起こるのかというと、相手が問題の重要性をきちんと認識できていないためです。私は、タスクの遂行力に不安のある部下にはメモを取ることを徹底させ、さらに、理解度を確認するために書いたメモを見せてもらうようにしています。重要な要素が抜け落ちた大ざっぱな内容になっている場合は、メモを見ると一目瞭然です。