家事で心が整う
今回のドラマ「À table!(ア・ターブル)~歴史のレシピを作ってたべる~」は、歴史上の人物たちが食べていた料理を、劇中で再現しています。私自身は、忙しいとなかなかゆっくり料理をする時間が取れないのですが……。そういう時でも、お味噌汁とかスープとか、少しだけでもつくるようにしています。
忙しい時に家事をすると、何か「整う」って感じること、ありませんか。忙しい時に便利なものを使うのも手ですが、むしろ「何か」をしたほうが「整う」なぁ、なんて思うんです。料理に限らず、日常の家事全般でも。
自分の好きなものは、自分に響く
撮影期間中は、プライベートの時でも、どこかでその時の役について考えていたり、探したりしてしまう。「あの人ならなんて言うだろう」「あの人はどうするかな」なんて。だから、役ではない「自分」が、ちゃんとおいしいと感じられるものを、自分でつくることが私にとって大切なのかもしれません。
人の作ったものももちろんおいしいし、大好きです。けれど、自分が作ったものって何だか響く場所が違うんですよね。「『自分』がここにある」のを実感できるというか。自分が作ったものをおいしいって感じられる。本当に幸せなことだと思います。
後編では、市川さんが20代・30代で始めたこと、やめたことについて伺いました。引き続き「市川実日子 知ったかぶりの自分、もったいないと気づく」もお読みください。
取材・文/藪内久美子 写真/稲垣純也 スタイリスト/谷崎彩 ヘアメイク/秋鹿裕子 トップス&ニット/Meryll Rogge ジーンズ/Wales Bonner オパールペンダント&ピアス/MAISON RUBUS.