中学生でモデルを始め、10代でファッション雑誌の専属モデルに。今では俳優として数々の映画やドラマに出演する市川さん。(上)では、これまでのキャリアを振り返ってもらいました。(下)では、市川さんが20代・30代で、始めたこと・やめたことについてお聞きします。

【上】市川実日子 モデル、女優…予想外のキャリア歩んだワケ
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市川実日子さん
市川実日子さん
1978年、東京都生まれ。10代からモデルとして活動し、94年から雑誌「Olive」の専属モデルを務める。映画「タイムレスメロディ」(2000)で女優デビュー。「シン・ゴジラ」(2016)では第40回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。23年1月スタートのBS松竹東急のドラマ「À table!(ア・ターブル)~歴史のレシピを作ってたべる~」では、主演の藤田ジュン 役を演じる

怖がる必要なんてない

 「やめたこと」でいうと、「やってみる前に怖がること」をやめたかもしれません。20代は「怖がるのをやめよう」と意識していて、30代でようやく「ああ、怖がらなくていいんだな」と、自然と気持ちが変わっていきました。

 やめたいからといってやめられるものじゃないですし、今でも怖がりなんですよ。でも、モデルも俳優も、なんでもいつも「怖がる」→「やってみる」→「楽しい」という流れなんです。それを繰り返してきて、「あれ、必要以上に怖がらなくてもよかったんじゃない?」とようやく気づいたというか。

 それに、自分が怖い時って、相手も怖いんですよね。誰だって、新しいことをするならどこかに「怖い」気持ちがあると思います。年を重ねるにつれて、「怖いと思うのは自分だけじゃないんだ」と、いろいろなことに気づけるようになって……。うん、大人になるっていいですよね。