漫画家・コラムニストとして、人間関係・恋愛・アイドル・スピリチュアルなど幅広いテーマについて執筆している辛酸なめ子さん。後編では、辛酸さんが現在のキャリアをどう築いてきたのかを聞きました。
【前編】辛酸なめ子 ネガ思考だった自分を変えた唯一の習慣
【後編】辛酸なめ子 目標は全く立てない、だから不安もなし ←今回はここ
キャリアは「人とのつながり」
私は「自力でキャリアを切り開いてきました!」……というタイプではなくて。「将来のビジョン」など考えてもいなかったし、まさか漫画家やコラムニストとして活動することになるなんて、思ってもみませんでしたね。
ただただ人とのつながりをおろそかにせず大切にしてきたから、仕事にも、人にも恵まれてここまでやって来られたのだと思っています。
高校卒業後の進路は、「将来、何かしら表現に関わる仕事がしたい」と思っていたので、迷わず美術大学を選びました。在学中は主に漫画やイラストを描く毎日。そんな中、あるフリーペーパーを作っている人と知り合いになったんです。そこで、アーティストやデザイナーにインタビューをして、原稿を書いて……という仕事を手伝うようになりました。これが今のキャリアの原点、と言えるかもしれません。
またあるときは、自分の作品データをフロッピーディスクに入れて、アーティストやデザイナーへ渡したこともあります。自主制作のミニコミ誌を売っているイベントで、自分の作品の販売もしました。そういう活動をしていくうちに、少しずつ仕事が来るようになっていきました。
その後、仲間内で日記をつけるウェブサイトを作ることに。仕事の幅が広がったのは、この頃からです。これはWindows95が発売された頃だったと記憶していますから、まだまだインターネットがそこまで広く浸透していなかった時代。「興味のあるものは、どんどん挑戦していく」スタイルは、今も昔も変わらないようです。