ドラマ黄金期に青春時代を過ごしてきた「テレビっ子」なARIAさんたちに、ドラマやテレビの最新情報をお届けする本連載。今回取り上げるのは、NHKの新設ドラマ枠「夜ドラ」について。月曜日から木曜日の夜15分間という珍しい帯のドラマ枠はなぜ作られたのか。制作側の生の声を聞きました。
月曜日から木曜日に毎晩放送する訳
長引く新型コロナウイルス禍で配信サービスなどが浸透し、各局で配信を意識したドラマ枠が多数新設されている。
中でも、2022年のドラマ界で大きな存在感を示した枠が、NHKで2022年4月に新設された「夜ドラ」である。これは月曜日から木曜日の夜10時45分~11時に放送されている15分間の帯ドラマだ。
同じ15分間のドラマでも、1961年からの長い歴史を持つNHK連続テレビ小説、通称「朝ドラ」は、毎朝月曜日から金曜日(かつては土曜日まで)×半年もしくは1年間という固定の形式だった。しかし「夜ドラ」は、月曜日から木曜日の帯でも作品によって週数が違い、ボリュームの多寡がある。
そもそも「夜ドラ」は、新鋭のクリエーターを起用し、意欲作を多数生み出していた「よるドラ」を発展解消させたものだというが、夜15分の帯ドラマとしたのはなぜだったのか。その狙いについて、メディア編成センター チーフ・リードの土屋勝裕氏は改めて次のように説明する。
「夜寝る前のひとときをNHKのドラマを見て過ごしてもらうという狙いで、1週間に1回の放送ではなく、月曜日から木曜日まで毎日放送することで、話題量も増える期待を持っています。また、15分という時間が、見逃した人でも『NHKプラス』でキャッチアップしやすく、いつでもNHKプラスで楽しんでもらいたいという狙いです」
実際、自分は毎晩風呂にスマホを持ち込み、NHKプラスで見るのが日課になりつつあるが、仕事が一段落した頃合いに1人静かにドラマと向き合う15分というサイズはなかなか絶妙だ。
しかも、15分の短尺でバラエティー豊かな作品が多数作られており、中でも2022年のドラマ界を象徴する、時代を映す作品として注目されたのが「あなたのブツが、ここに」(NHK総合)、通称「あなブツ」である。