前回、AIの登場によって起こるパラダイムシフトをイメージできない筆者は、アンラーニングの必要性を強く実感するところとなった。ではどのようにアンラーンしてゆけばよいのだろう。連続起業家 孫泰蔵さんに、まずはメタ認知について聞いてみた。

(1)孫泰蔵「AIの登場でスキルなんて必要なくなる」とは?
(2)孫泰蔵 「そもそもなんで?」でアンラーニングが始まる ←今回はココ
(3)迷惑をかけて恩返し? 小さく頼り合う社会のつくりかた

アンラーニングに必要なメタ認知って?

編集部(以下、略) 前回(孫泰蔵「AIの登場でスキルなんて必要なくなる」とは?)のお話で、アンラーニングの必要性はよく分かりました。アンラーンするうえで大事な「メタ認知」ってどういうものでしょうか。

孫 泰蔵さん(以下、孫) メタ認知について、「更年期障害」を例に見てみましょうか。症状として怒りっぽくなったりイライラしたりすることがありますよね。でも病気とは違うから、なかなか対処するのが難しいものですよね。

 例えばダンナや子どもが外から帰ってきて、靴下を脱ぎ散らかしているのを見てイラッとしたときに、「こんなことにいちいちいらだつ自分」にがっかりすることありませんか。

 でも「ひょっとして更年期かも」と思うことができれば、自分のことを小さなことでいらだっている怒りっぽい人間だと思わないで済みますよね。メタ認知って、そういうことだと思うんです。

―― なるほど。

連続起業家の孫泰蔵さん 「私、今こう思ってるなー、と気づけたらメタ認知できてます!」
連続起業家の孫泰蔵さん 「私、今こう思ってるなー、と気づけたらメタ認知できてます!」