この連載では、各分野で活躍している人たちに「人生を左右した決断」についてインタビュー。今回登場するのは、35歳で外資系航空会社のキャビンアテンダント(以下、CA)からお笑い芸人に転身したCRAZY COCO(クレイジー ココ)さん。異色の経歴を持つ彼女は、これまでどのようなキャリアを歩んできたのでしょうか? ドバイでの暮らしや、海外での恋愛経験についても聞きました。
(上)商社→CA→芸人 一度試験落ちたCA、でも諦めず ←今回はここ
(下)「死ぬかもしれない」35歳でCAから芸人への転身決意
友達にそそのかされて、外資系航空会社のCAに
編集部(以下、――) CAになる前は商社に勤めていたそうですね。新卒で商社に入社したのはなぜですか?
CRAZY COCOさん(以下、COCO) 理由は2つあります。1つは、大学時代に10カ月間オーストラリアに留学していたので、仕事でも英語を使いたいと思ったから。もう1つは、その商社が家から近かったので、「通いやすいかな~」っていう安易な理由です(笑)。
―― 商社は3年勤めて退職されていますよね。退職の理由は?
COCO 採用面接のときに「英語ができるから英語圏の担当をしてもらいたい」と言われたんですけど、実際に入社すると中国の担当になって。英語を使う仕事ではないから「何か思てたんと違うな……」ってなったのと、有給休暇がとりづらい社風だったこともあって、入社直後から「長くはいられないな」と思っていました。でも、すぐに辞めたら転職で不利になると思って、3年は続けましたね。
―― それからどういう経緯でCAを目指したのでしょうか?
COCO 友達にそそのかされたんです(笑)。留学してたときの友達で、のちに私が入社する外資系航空会社でCAとして働いてた子と一緒にご飯を食べてたときに、「2年ぶりに中途採用があるからCOCOも受けてみたら? COCOなら受かると思う」って言われて。「じゃあイケるやろ」と思って、中途採用の試験を受けました(笑)。
―― 以前からCAになりたいと思っていたのですか?
COCO いえ、思っていませんでしたね(笑)。土日休みじゃないし、夜間フライトもあるから大変なイメージがあって、友達に言われるまでCAになろうと思ったことはなかったです。でも、久々に会ったその友達が、天然でかわいいイメージから、しっかりしたキャリアウーマンになってたのを見て、「うわ、かっこいい!」と思ったんですよね。
1回目は不採用で「何でやねん!」
―― CAは狭き門というイメージですが、友人の言葉通り受かったのですね。
COCO いえ、1回落ちました(笑)。1回落ちて、その半年後にあった採用試験をまた受けて、2回目で合格しました。
―― 落ちても諦めなかったのはなぜですか?
COCO 「何でやねん!」と思ったんです(笑)。友達も「COCOなら受かるよ」って言ってくれたのに、「何で落ちんねん」って納得がいかなくて(笑)。「一緒に働こうね」って言ってたのに、それが実現できないのはすごく悔しいなと思ったんです。
それに1回目の採用試験のときに、その航空会社で働いているCAのインタビュー動画を見せてもらったんですけど、みんな表情がイキイキとしてて、「自分の人生を生きてるな」と思って感動したんです。その動画を見てからは「絶対にCAになりたい」と思ったので、1回落ちても諦めるという選択肢はなくて、逆にCAを目指す人が集まるスクールに入学して、再受験しようと思いました。