時に迷い、立ち止まりながらも、自分流の働き方や幸せを模索している働くママたち。今回登場するのは、長年勤務した人材会社を退職し、今年(2022年)の春から夫の赴任先の中国・上海で、キャリアコンサルタントのスキルを使ってプロボノ活動を行う関小百合さんです。関さんは夫と4歳の娘の3人家族。長年勤めた企業を退職し、上海に渡ったことを「最良の決断だった」と振り返ります。いかなる環境でも自分らしく活躍し続けるために、どのような努力や工夫をし、経験を重ねてきたのでしょうか。
(前編)「育休中で仕事がない私の存在とは?」と悩んだ日々 ←今回はココ
(後編)パラレルキャリアで「家族で暮らす選択」が可能に
◆今回登場するワーママ:関小百合さん
年齢:35歳
仕事:フリーランスのキャリアコンサルタント
新卒で大阪の印刷会社勤務
→転職でリクルートキャリアコンサルティングに勤務
(この間、パラレルキャリアとして、個人でもキャリアコンサルタントとして仕事を請け負う)
→フリーのキャリアコンサルタントとして独立
(現在は中国でプロボノ活動に取り組む)
住まい:中国・上海
子ども:4歳の娘
◆「わたし流」の働き方をかなえるためにした選択
選んだもの…自分がやりたいこと
諦めたもの…あらゆる環境変化にあらがうこと
就活で実感した男女のスタートラインの違い
学生時代は大阪教育大学で学び、教職を目指す一方で、体育会系のバレーボール部に所属していたことから、関西大学バレーボール連盟の運営役員を務めました。連盟では大会運営、広報活動などによって社会に触れる機会があり、「世の中は知らないことだらけ」だと感じ、自分の知っている世界がいかに狭いか気づくようになりました。
大学では中学・高校の保健体育の教職免許を取得しましたが、こうした気づきから、こんな自分が卒業後すぐに教師になっていいのか? 生徒たちの人生を左右する進路指導などを行っていいのか?……と、不安を感じ、就活では教職から一般企業へとかじを切りました。
就活がリーマン・ショックの年と重なったことで、希望した就職先は軒並み採用予定枠を縮小していました。当時はまだ採用募集枠が男女別に公開されていて、「男性11名、女性1名」といった数字を見て、男子学生とのスタートラインの違いを実感させられました。何とか面接に進んでも「結婚したらどうしますか?」「出産したら仕事はどうしますか?」と男子学生にはされない質問が多く、女性は社会から働く人材として期待されていないことを感じました。
