夫婦の3組に1組が離婚するといわれる時代。結婚に理由があるのと同様、離婚にもまた理由があります。離婚までの4つの「峠」を経験者に打ち明けてもらいます。実家の家業と夫の実家の仕事のWワークをする彩美さん(仮名)は夫のモラハラやDVを我慢しながら暮らしていましたが、子どもたちの未来を守るために、ある日離婚を決意しました。
25歳で結婚 41歳で離婚 2人の子どもは独立し現在は両親と暮らしている
元夫とは職場結婚でした。3つ年上の彼は海外の大学を卒業していて、私の知らないことをたくさん知っているところが魅力でした。
知り合って1年で結婚、それを機に夫と私は私の両親が経営する会社に入社し、会社のある関西で2年ほど一緒に暮らしました。1人目の子どもが生まれて間もなく、夫は実家の家業の経営を手伝うために、会社を辞めてひとまず単身で東京に移りました。
その後2人目も生まれ、私も都内に家を買って子どもたちとともに移り、再び家族一緒に住むことになりました。私は実家の仕事も続けていたので、夫の家業とのWワークとなり、東京と関西を行き来する生活になりました。出張中は義父母も子どもたちを見てくれてありがたかったです。
峠1:違和感を抱き始めたとき
結婚式当日に暴力
突然平手打ちされたショックにかえって現実感を抱けない
最初に衝撃を受けたのは、実は結婚式当日の夜のことです。2次会での私の友人の振る舞いが気に入らないと、ホテルの部屋で平手打ちをされました。交際中にはそのようなことはなかったのでショックを受け、泣きながら両親の部屋へ行きましたが、両親は既に帰った後でした。「もう私には戻る場所はないんだ」と改めて思ったことを覚えています。
ただ、仲の良い両親に育てられてきた私にとって、夫に殴られるということがまるでドラマを見るように現実感のない出来事で、「結婚生活とはこういうものなのかもしれない。みんなも表には出さないけど我慢しているのだろうか」と思い込んでしまいました。
今考えればあまりにも世間知らずでしたが、長女の私は周りに迷惑をかけたくないという思いが強く、両親にも心配をかけてはいけないと考えていたのだと思います。誰にも相談せず我慢するということを選んでしまいました。
夫は普段は子どもをかわいがってはいたのですが、気に入らないことがあると物を壊したり、時には私や子どもたちに手を上げたりと、暴力的になることがありました。