タレント、女優、経営者にドラマのプロデューサーの顔も持つMEGUMIさん。2016年にオープンしたカフェは今や行列ができる人気店ですが、出店の許可がなかなか下りず、波乱のスタートでした。新型コロナウイルス禍になって営業できなくなったときは、助成金や補助金の申請に追われる日々を送りました。それらのピンチをどのように乗り切ったのでしょうか。MEGUMIさんの経営者としてのマインドを探っていきます。

(1)生き残るには「今変わらないとマズイ」
(2)経営を経験して、女優とは別の視点を得た ←今回はココ
(3)キャリアアップの鍵は「夢の事業計画書」

メンターである師匠から「店をやりなさい!」

編集部(以下、略) 起業家として、子ども服ブランドの次に手掛けたのがパンケーキカフェ「Cafeたもん」でした。2016年に石川県金沢市にオープンして、今や行列ができる人気店として有名です。なぜカフェを、それも金沢に開こうと思ったんですか?

MEGUMIさん(以下、MEGUMI) 子ども服ブランドのネットショップでは、インテリア雑貨も扱っていて、ロサンゼルスで買い付けたヴィンテージのキルトやファブリックなどを売っていたんですね。子ども服ブランドを畳んだ後、いつかこういう雑貨を置いたカフェをやれたらいいなぁ、と夢想するようになりました。

「ずっと、雑貨を置いたカフェをやりたいと思っていたんです」
「ずっと、雑貨を置いたカフェをやりたいと思っていたんです」

MEGUMI そんな気持ちを見抜かれたのか、私のメンターで人生の師と仰ぐ矢部慎太郎さんという方から、あるとき「もう店をやりなさい!」と命じられたんです。

 慎太郎さんは東京・銀座でサロンを、東京・神楽坂でギャラリー・カフェを経営するほか金沢にもお店を出していて、具体的に「金沢でパンケーキ屋さんをやりなさい!」と。理由は、当時、金沢に新幹線が通ることが決まったタイミングであることと、金沢にパンケーキ屋さんが2軒しかなかった、ということでした。

 「ないものをやるのがいいんだから」と言われても、そんなん怖いわーって思いました。金沢に行ったことすらなかったですし。でも、人生の師に言われたことには絶対服従で(笑)。だから「はい、やります!」と言ってました。

 やると言ったからには絶対やる、というのが私の性分。とはいえ、カフェってなんだろう? というところから始まりましたから、カフェ・カンパニー社長の楠本修二郎さんの本など、いろいろ読んで勉強しました。

石川県金沢市のカフェ「Cafeたもん」。名物はパンケーキ 写真提供/MEGUMIさん
石川県金沢市のカフェ「Cafeたもん」。名物はパンケーキ 写真提供/MEGUMIさん
石川県金沢市のカフェ「Cafeたもん」。名物はパンケーキ 写真提供/MEGUMIさん

―― お店を構えているのは、人気観光スポットのひがし茶屋街です。重要伝統的建造物群保存地区でもあって、歴史ある街並みを守る目も厳しいエリアだと聞きます。実際、出店の許可が下りるまで2年ぐらいかかったそうですね。