タレント、女優、パンケーキカフェ「Cafeたもん」の経営者に、ドラマ「完全に詰んだイチ子はもうカリスマになるしかないの」(テレビ東京)などのプロデューサーの顔も持つMEGUMIさん。2016年にオープンしたカフェは、共同経営者ができたことで任せられるようになり、「月2回ぐらいオンラインミーティングをして、月1回お店に行く程度で回ってます」と言います。その経営者としてのスタンスと、プロデューサーとしてのスタンスには通底するものがあるのだとか。また、お店の事業計画書からヒントを得て、毎年「人生の事業計画書」を書くようになったといいます。それが、「やりたいことは全部やる」を実現する鍵。その点もたっぷり語ってもらいます。

(1)生き残るには「今変わらないとマズイ」
(2)経営を経験して、女優とは別の視点を得た
(3)キャリアアップの鍵は「夢の事業計画書」 ←今回はココ

ハプニングも人間として成長できる機会

編集部(以下、略) 前回、「カフェを経営していなかったらドラマや映画のプロデュースはしていなかった」と話していました。「経営によって物事の仕組みが見えたことで、ドラマや映画の仕組みを俯瞰(ふかん)できるようになった」と。ただ、ドラマや映画の場合は関わる人が多くてスケールも大きい分、より広範囲を俯瞰しなければならないことが想像できます。プロデューサー特有の苦悩があるのでは?

MEGUMIさん(以下、MEGUMI) 確かに、ドラマや映画に関わる人はエンタメの世界の住人で、主張が強い人ばかり。例えば、これはできない、やりたくないという俳優さんがいたり、経費やスポンサーやの問題でできる、できないがあったり。

 そういうことが毎日毎日、何個も何個もあって、そのつど、MEGUMIさんどうしましょう? と聞かれるわけです。最初のうちは、それが本当にキツかったです。心の中で、「もう、分かんないよ!」って叫んでましたもん。

2022年にはドラマのプロデューサー業も開始したMEGUMIさん
2022年にはドラマのプロデューサー業も開始したMEGUMIさん

MEGUMI それがあるとき、みんないろいろ言うけど、いいものを作りたいという気持ちは一緒なんだよな、とふいに悟ることができて、まったくキツくなくなったんです。どの作品も毎回めちゃくちゃなハプニングが起きて苦境に立たされますが、人間としても成長できます。やり切ったときのエモーショナルな感覚は格別で、ほかでは得難いかけがえのないものですね。

―― プロデュース業を始めたのは新型コロナウイルス禍でした。かつて、子ども服ブランドの経営を始めたときは周囲から反対や非難をされ、そのことからカフェ経営を始めるときは誰にも言わずに着手したと話していました。プロデュース業を始めるときも、周囲から反対や非難をされたのでしょうか?

MEGUMI それが、一切なかったんです。コロナの前と後で世の中が一変して、みんな変わらなくちゃいけない、と思うようになったからなんでしょうか。むしろ、面白そうなことをやってるよね、ということで声をかけてもらうことが増えました。意見を求められたり、話を聞かせて、と言われたりすることが増え、2022年秋には、京都のお坊さんたちが集まる異業種交流会にまで呼ばれて講演をしてきました。

 私自身は、コロナの前後で何も変わっていません。ずっと「やりたいことは全部やる」タイプです。だから、世の中が変わったんだと思います。

―― 「やりたいことは全部やる」を実現するコツとして、「人生の事業計画書」なるものを毎年書いて、事務所のスタッフと共有していると聞きました。