6歳と8歳の子のママである山﨑裕子さんは、育児中でも働きやすい環境を求めて、4年前に外資系総合コンサルティング企業のアクセンチュアへ管理職として転職しました。入社後には思いがけない「壁」に直面しますが、社内のインクルージョン&ダイバーシティ(I&D)コミッティに参加することで、自ら働きやすい環境を創っていきます。仕事と並行して行っているコミッティでの活動や、今後の自身の役割ついて話を聞きました。
ワーキングペアレンツとしてのキャリアを描ける職場を求めて転職
思い切り仕事に打ち込める職場だけれど、子どもがいる自分にとっては働きにくい……。そんな思いを抱えて、将来のキャリアを描けないでいるワーキングペアレンツは多いのではないでしょうか。現在、アクセンチュアのオペレーションズ コンサルティング本部でシニア・マネジャーとして働く山﨑裕子さんもかつてはその1人でした。

外資系広告代理店を経て、2018年経験者採用で入社。入社1年目に、組織横断で組成されているI&Dコミッティに参画。自身が所属する部署のI&Dの取り組みでジェンダー分野のリーダーも担当している。フルタイム勤務で、6歳と8歳の子を会社員の夫と育てている
前職は外資系広告代理店の管理職。デジタルマーケティングを担当し、海外にいる外国人スタッフへのデリバリーディレクション業務の経験を積んできました。10年間勤務する間に2度の出産と産・育休取得をしますが、社内にはワーキングペアレンツのロールモデルが少なく、両立支援の制度もあまり整っていない環境でした。残業が多く多忙な職場環境に「このままではワーキングペアレンツとして中長期的なキャリア展望を描くのは難しい。ワーキングペアレンツへのサポートがしっかりしている会社で働きたい」と思うようになったと言います。
そんな状況をママ友と話しているうちに、山﨑さんのことがママ友の夫の耳に入りました。アクセンチュアの社員である夫は「うちの会社も忙しいけれど、ママ社員が生き生き働いているよ。同じ忙しさなら、うちの会社に来たらいいのに」とアドバイス。アクセンチュアがI&Dを経営戦略にかかげ、育児中の親も働きやすい就業制度があることを知った山﨑さんは、経験者採用試験に挑むことを決意します。
その時の山﨑さんの状況は、「コンサルタント未経験、アラフォー、幼児の子育て中」。一見不利な条件がそろっており、「無謀なチャレンジ」と心配する友人もいました。しかし、面接で年齢について問われることもなく、無事採用されます。自身が採用されたことについて、山﨑さんは次のように推測します。
「多様なサービスを提供するために、人材にも多様性を求める会社であることが一因だと思います。私が入社した4年前は、社会全体としてDXの機運が高まり始めていた時期。アクセンチュアでもデジタル関連のオペレーションができる人材を強化したいと考えていたのでしょう。デジタルマーケティング+BPOの海外デリバリー立ち上げ経験を生かしてほしいと言われました」