男性社員からの相談をきっかけに、社内カルチャーに変化が

 5年前に支援プログラムを立ち上げたところ、「わが家は共働きで妻もキャリアアップしたいと思っている。自分はどう働いたらいいだろうか」と相談をしに来る男性が一定数いたそうです。

 「男性こそ相談する場所がなかったのでしょう。対話の場が設けられたことは、性別に関わらず自分の生活を大切にしたいとの思いを相談していいのだと気づくきっかけになったと思います。会社や上司も、家族との時間を重視して働きたい男性がいることに気づくことができました

 働く親を中心にした対話を重ねる中で、2022年9月現在、アクセンチュアの男性育休の取得率は47.5%、平均取得日数も120日に伸びています。社内のカルチャーも変わってきたと市本さんは話します。

 「家族との時間を重視する働き方に対して、上司や同僚から理解を得られるようになったことで、職場で安心して家族のことを話題にできるようになりました。子どもの送迎や病気で仕事ができないときも助け合うチームワークが生まれています。その結果、個人に依存せずチームでパフォーマンスを出すサイクルが回るようになっています」

 市本さんは「私もワーキングペアレンツの一人です。長いキャリアを楽しみながら、仕事もライフも充実させていきましょう」と呼びかけて、第1部の講演を終えました。