教育の問題点や理想の姿を探るリレー連載。今回取材したのは、性教育を当たり前にし、性にまつわる課題解決のためにさまざまな活動を行っているソウレッジの創業者である鶴田七瀬さんです。大学休学中に留学した北欧で、性教育が当たり前にある環境を目の当たりにした鶴田さん。前編では、子ども時代から持ち続けている日本社会への違和感や、留学に至った経緯などについて聞きました。
<鶴田七瀬さん>
【前編】意見を持つのは「コスパ悪い」 日本の教育の問題点 ←今回はココ
【後編】居場所ない若者に性教育を 知識の種はいつか芽吹く
タブー視されがちだった日本の性教育
性の知識が親しみやすいイラストと言葉で印刷された「性教育トイレットペーパー」や、プライベートゾーンについて遊びながら理解できるカードゲームの「プラベ」、性の課題について学べる大人向け性教育ボードゲームの「ブレイクすごろく」など、性教育教材を開発し、性教育を当たり前にする活動を行ってきたソウレッジ代表の鶴田七瀬さん。2021年にはForbes JAPANが発表する「30 UNDER 30」(世界に多大な影響を与える30歳未満の日本の30人)にも選ばれました。
鶴田さんがソウレッジを立ち上げた5年前は、性教育は今よりずっとタブー感が強く、話題に出すのも憚(はばか)られる状況だったといいます。「私のツイッターのプロフィールに『性教育』というワードが入っているからという理由で、私をフォローできないという知人がいるくらい、『性教育』はおおっぴらに語れない、タブーな存在でした。そんな状況と比べたら、今の日本は様変わりしたと感じています。私たちのプロダクトに興味を持ってくれる親御さんや教育者の方も多くいますし、幼児向けの絵本や動画での発信なども増えました。性教育分野はプレーヤーが本当に増えたと実感しています」
「学校や家庭で、座学として教えるだけが性教育ではない」と話す鶴田さんは、性に関する課題を解決するべく、これまでのようなプロダクト開発にとどまらない、新しいチャレンジを始めているそうです。鶴田さんに、幼少期から起業に至るまで、そして今感じている課題と今後の活動について聞いていきます。
