米入りシェーカーを持ち歩いて練習
―― バーテンダーの衣装を着こなしていますが、役作りで苦労した点はありますか?
紫吹 宝塚時代にこうした衣装はしょっちゅう着ていたので、ゲストでご出演いただいた勝村政信さんにも「制服でしょ」とからかわれたほどです。衣装は問題ないのですが、伝説のバーテンダーといわれる女性の役なのでお酒を扱う動きをいかにスピーディーにスムーズにするかは、苦労しました。何しろ、ペットボトルのふたを開けられない人間ですので(笑)。
実在の女性バーテンダーでドラマのモデルになっている方に、「お米を入れてシェーカーを振る練習するといいですよ」と教えていただいたので、自宅になんちゃってバーカウンターを作って、ずっと練習していました。でも、実際にやってみると氷はお米よりももっと重いんです。途中から氷のレプリカを買って、それを入れたシェーカーを毎日持ち歩いていました。
―― 母親役を演じる上での苦労はありましたか? 紫吹さんが2人の子どもを育てる母親役を演じるのは新鮮に感じます。
紫吹 演じるのは夫に先立たれたシングルマザーです。私は別の意味でシングルですけれど(笑)。幸い、帝国劇場で毎年「DREAM BOYS」の公演があり、ジャニーズ事務所の皆さんのお母さんのような役をやらせていただくことが多いので、違和感はありませんでした。ただ、彼らが演じるのは大人になりかけの少年ですが、今回の子ども役は中1の女の子と小3の男の子。もっと小さな子たちなので、ジャニーズの皆さんとの共演では起こらなかった現象がありましたね。