「マンガじゃなくて本を読みなさい!」「ゲームばかりしてたらダメ!」などと小言を口にしてしまっていたら、ちょっと待って。マンガやゲームは今や「勉強の敵」ではありません。子どもの「好き」に火がつき、時に学びを深めるための効果的なサポートツールになることも。これまで多くの小学生、中学生を合格へと導いてきた受験指導専門家の西村創さんが、小中学生にぜひ読んでほしいマンガ、遊んでほしいゲームを紹介します。マンガ&ゲームの魅力と共に、「学びとは何か」についても切り込んでいきます。連載第6回で西村さんがおすすめするのは、現在アニメも放映中の人気マンガ『Dr. STONE』です。

科学と人類史が詰まったエンタメ作品

 社会がAIやロボティクスを活用してますます発展していこうとしている中、STEM教育をはじめとする理系教育が注目を集めています。そんな中で今回おすすめしたいのが、人気マンガ『Dr. STONE』(原作:稲垣理一郎、作画:Boichi/集英社 ジャンプコミックス刊)です。

 『Dr. STONE』の魅力を一言で言うならば「科学と人類史が詰まったエンタメ作品」。科学と歴史と聞くとつい身構えたくなるかもしれませんが、この作品が素晴しいのが、マンガとして読んでいて純粋に面白く、エンターテインメント性が抜群な点。にもかかわらず、本格的な科学知識がたっぷり詰まっている点も魅力です。

 マンガは次のような設定でスタートします。

――ある日突然全人類が石になってしまい、3700年後に主人公の高校生、天才科学少年が目を覚ます。3700年間人類がいなくなった世界からはあらゆる文明が消え、主人公たちを取り巻く状況は、狩猟や採集によって人が生きていた旧石器時代のような状態にまで戻っている。主人公とその仲間たちは世界を取り戻すために、科学を軸に一から文明をつくりあげていくことに……。

 受験指導専門家としてのおすすめポイントは、モノの仕組みや科学の魅力が学べる点、科学文明の発展の歴史が学べる点の2点です。では、詳しく紹介していきます。

(C)米スタジオ・Boichi/『Dr. STONE』(原作:稲垣理一郎、作画:Boichi/集英社 ジャンプコミックス刊)シリーズ全26巻
(C)米スタジオ・Boichi/『Dr. STONE』(原作:稲垣理一郎、作画:Boichi/集英社 ジャンプコミックス刊)シリーズ全26巻