「教育移住」を選択した先輩たちに、実践したからこそ分かる「教育移住のリアル」を聞いていく本連載。前編に続き、教育移住のために海外勤務ができる会社に転職し、小4の息子と2人でシンガポールに移住した、ビザスク APACジェネラルマネージャーの須賀智秋さんにご登場いただきます。「親が英語を話せないと、子どもをインターナショナルスクールに通わせるのはかなり厳しい」と話す須賀さん。後編となる今回は、学校の様子や今後のこと、海外生活でのお子さんのサポートで心がけていることなどについて聞いていきます。
【前編】中学受験より海外へ 転職しシンガポールに父子移住
【後編】シンガポール父子移住 56カ国の同級生と学ぶ日々 ←今回はココ
移住前から英語に触れることを習慣に
日経xwoman DUAL(以下略) シンガポールに移住する前は前職でフィリピンに駐在されていた時期もあるとのことですが、息子さんはどの程度、英語を習得していたのでしょうか。
須賀智秋さん(以下、須賀) フィリピンにいたのは、息子が小1から小2にかけての約7カ月間だったのですが、英語での日常会話はすぐにできるようになりました。フィリピンの学校での初日、朝は大号泣していたのですが、帰ってきたときは「楽しかった!」とご機嫌で。子どもの適応力ってすごく高いんだなと感じたことを覚えています。
―― 息子さんが小2のときにフィリピンから帰国して、小4でシンガポールに移住するまでの約2年間は日本で過ごしていたんですね。その間、どうやって息子さんの英語力を維持していたのですか。
須賀 1日50分のオンライン英会話レッスンを毎日続けていました。それから、動画配信サービス。基本的に日本語のコンテンツは見せないようにし、英語のアニメなどを見せていました。シンガポールに来てからは、日本語の番組もOKにして、日本語に触れる機会を確保できるようにしています。
僕は英語を使って仕事をしていますが、現在はリスニングに関しては息子に抜かれているかもしれません。例えばCNNニュースが流れてくると、僕は集中して聴かないと内容を聴き取れないのですが、息子は何気なく聞き流しているだけでも内容を理解しているんです。英語に日常的に触れられる環境を整えれば、子どもの英語力は自然に伸びていくと感じます。
―― シンガポール移住について伝えたときの息子さんの反応はいかがでしたか。お母さんと離れることへの不安はなかったのでしょうか。
須賀 前職でフィリピンから日本に帰国した時点で、息子には「いずれはフィリピンに戻るからね」と伝えていました。なので、行き先がフィリピンからシンガポールに変わりはしましたが、それほど驚いた感じではなかったように思います。ただ、日本の小学校の友達と離れるのが嫌だということは言ってましたね。
シンガポールでは僕と2人で生活していますが、日本にいる母親とはオンラインでやり取りをしています。学校の長期休みには日本に帰っていますし、そこまで寂しくはないんじゃないでしょうか。
