「また、子どもを怒鳴りつけてしまった!」。そんな後悔を繰り返していませんか? 「このままだと虐待になりかねない」と悩んでいる親は多いのではないでしょうか。そこで、「たたかない、怒鳴らない、ポジティブな子育て」のプログラムを提供しているポジティブ・ディシプリン コミュニティ代表理事の池田詩子さんに、怒鳴ってしまった後の子どもへの対応法や、怒りの感情との付き合い方を聞きました。子どもを怒鳴りつけてしまう親の状況や、怒鳴る回数を減らすために必要なシミュレーションについて解説した前編と合わせて参考にしてください。

【年齢別記事 保育園のママ・パパ向け】
(1) 保育園や幼稚園に「行きたくない」 原因を見極めるには
(2) 危険を理解できるのは5歳ごろ 事件・事故を防ぐには
(3) 怒鳴る親の背景に、わが子への期待と現実の差
(4) 怒鳴る親 自分の怒りの前兆を知れば爆発を防げる ←今回はココ

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怒鳴った後は子どもにどうフォロー?

 怒りをコントロールしたいと思ってアンガーマネジメントなどを学んだのに、カッとなると実行できず、また怒鳴ってしまった……。そんなとき、親は子どもにどのように接したらよいのでしょうか。

 子育て支援活動で多くの親の悩みに接してきた池田詩子さんは「怒りの感情が通り過ぎていったタイミングで怒鳴った状況を振り返り、自分が悪いと思ったら、子どもに『本気で』謝ってみてください。その積み重ねで怒鳴ることが減っていくことがあります」と話します。

 「親御さんたちは、『子どもを1人の人間として尊重しよう』という気持ちを持っているでしょう。それを実行するためには、たとえ相手が子どもでも、自分が間違えていたら謝ることが大切だと思います。

 『親は失敗してはいけない』という信念がどこかにある場合、親が子どもに謝ることは難しいものです。しかし、自分が悪いのに謝らないままだと、謝らなかった後悔がストレスや自信の喪失となり、それも怒鳴りやすくなる一因となるでしょう。思い切って、完璧な親像から抜け出してほしいと思います。

 謝れば子どもは親を許してくれます。許されることで親の抱える重圧が緩み、親自身も同じ過ちをしにくくなります。また、親が謝ることで子どもは『間違えたときは謝る』ということを学びます。だからといって口先だけで『あのときはごめん』と言っても、子どもにも自分にも意味がありません。何が悪かったのかを考え、本気で『ごめんね』を言えるといいですね 」

 これまでに怒鳴る子育てをしてきた場合、子どもの中には、「自分がこれをすると親は怒鳴ってくるかも。親はどう思っているだろう」と何をするにも親の顔色をうかがうパターンが植え付けられてしまっています。このパターンは覆すことができるのでしょうか。

【この記事で読める内容】
・「親の顔色をうかがわない子」に戻るまでには時間がかかる
・「怒鳴り癖」の原因は、怒りを適切に出せないこと
・子どもへの怒りを適切に出すポイントは?
・「怒りの前兆」を知ることの大切さ
・ママたちにはモノローグよりダイアローグが必要な理由