仕事に子育てに忙しくて、子どもに自然を感じさせる余裕もないのが共働き親です。都会に住んでいたら仕方がない、休日に遠くへ行かなければ自然とは出合えない、と思うかもしれませんが、実際はそんなことはないようです。「道端のダンゴムシだって自然の一部。子どもに科学への興味を持たせる絶好の教材です」。こう話すのは品川区にある、しながわこども冒険ひろばと北浜こども冒険ひろばの統括プレイワーカー、宮里和則さんです。45年以上にわたり都市部の子どもたちと関わってきて、日本ダンゴムシ協会の会長でもある宮里さんにダンゴムシを通して子どもに科学に興味を持たせるヒントや、子育てに自然とのふれあいを取り入れるコツを聞きました。
【年齢別記事 保育園のママ・パパ向け】
(1) チックや行き渋りも 小1の春乗り越える8つのポイント
(2) ダンゴムシは自然へのパスポート 探究心育む教材に ←今回はココ
(3) 「親と同じ失敗させたくない」でも先回りは逆効果
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「ダンゴムシは自然へのパスポート」という理由
「ママ、目をつぶって手を出して」と子どもに言われて両手を出したら、手のひらにコロコロした感触。目を開けてみたらたくさんのダンゴムシが……。思わず悲鳴!
これは宮里和則さんが全国の親たちから集めた、子どもとダンゴムシにまつわるエピソード「ダンゴムシ事件簿」のひとつです。ほかにも、子どもがポケットにダンゴムシを入れたのに気づかないまま洗ってしまい洗濯槽にダンゴムシがプカプカ、口をもごもごさせていると思ったらダンゴムシをなめていたなど、ユニークなエピソードを次々に披露してくれる宮里さんは、もともとは都内の児童館職員。現在は品川区にある北浜こども冒険ひろばの統括プレイワーカーを務め、遊びを通して都会の子どもたちと関わり続けています。
日本ダンゴムシ協会は「ダンゴムシと楽しく遊ぼう」をスローガンに宮里さんと子どもたちが2006年につくった協会です。宮里さんはインターネット上でダンゴムシの情報を紹介するほか、品川区の小学校に出向き、自然の不思議さや土に触れることの面白さ、命の循環などを伝えてきました。
そうした経験から、子どもにとってダンゴムシは「自然へのパスポート」だと宮里さんは言います。確かに都会の小さな公園や道端でも見つかり、子どもが怖がらずに触れることができるダンゴムシとの出合いは、科学の扉を開く絶好の機会になりそうです。ダンゴムシを通して学ぶ科学の不思議や、宮里さんお勧めのダンゴムシの飼育法、子どもと自然との触れ合い方について聞いていきましょう。
・ダンゴムシの足は何本?
・どこで息をしている?
・「コンクリートを食べている説」は本当?
・ダンゴムシは外来生物
・ダンゴムシはウンチをして地球を守っている!
●飼わないと見られないダンゴムシの姿がある
・飼うなら「美しく」の理由は?
●ダンゴムシに触れない子も。自然と触れ合うコツ
・自然に戸惑う子に親はどうしたらいい?
