パートナーの子どもとの関わりを見ていて、ケガをさせたり命に関わることが起きたりするのではと心配になることはないでしょうか。「もっとしっかり見てあげて」と伝えても、「ちゃんと見ている」「そっちが神経質(過保護)すぎる」と反論されてしまうかもしれません。同時に親となり、共に子育てしてきたはずなのに、「子どもの安全を確保する」という最低限のところですら夫婦ですれ違ってしまうのはなぜなのでしょうか。くらき永田保育園の園長として、多くの親子と保育士を支えてきた鈴木八朗さんに聞きました。

【年齢別記事 保育園のママ・パパ向け】
(1) 危険が察知できないパートナー 子の安全守るには ←今回はココ
(2) きょうだいゲンカ 親はジャッジをしてはいけない
(3) 公園で勝手に他人の物を使う子 対応次第で成長にも

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夫婦それぞれ、見えている世界は違う

 「子どもをほったらかしでスマホに夢中」「子どもと手をつながず、後ろも振り返らずに横断歩道を先に渡る」「子どもがベルトをする前に自転車発進」……。パートナーの子どもとの関わりを見ていて、心配になることはないでしょうか。「もっとちゃんと見てあげて」と伝えても、「ちゃんと見ている」「そっちが神経質すぎる」と反論されてしまうかもしれません。

 そもそも、同時に親となり、共に子育てしてきたはずなのに、「自分の子どもの安全を確保する」という最低限のところですらすれ違ってしまうのはなぜなのでしょうか。

 こうしたすれ違いの状況について鈴木さんは、「同じ空間で同じ子どもを見ていたとしても、夫婦それぞれ、見えている世界はまったく違う。片方には危険な状況に見えるのに、もう片方は危険を認識しておらず、安全に見えているのです」と説明します。

 夫婦それぞれの世界の見え方は、「心配性」「おおらか」などの性格面以上に「あること」が大きく影響しているそう。それは一体何なのか、子どもにリスクのある接し方をするパートナーに変わってもらうためにはどうすればいいのか、引き続き鈴木さんに聞いていきます。

子どもの周りには危険が多く、片時も目が離せないはずなのに…
子どもの周りには危険が多く、片時も目が離せないはずなのに…
この記事で分かること
・危険認識の違いは、○○量の差から生まれる
・「パートナーに任せるのが危険だから」と、育児を一人で抱え込んでしまうのは「避けたほうがいい」。ではどうすれば
・リスクをリスクと認識していないパートナーとの話し合いで意識すべきことは