きょうだい育児をしている親を悩ませる「きょうだいゲンカ」。きょうだいで争う声や泣きわめく声を聞いていると、親のほうまでつらくなってしまいます。さらに、親の関わり方次第では、きょうだい仲の悪化を招くことも…。そもそもきょうだいゲンカはなぜ起こるのか、親はどう関わればいいのか、「りんごの木」代表として、長く子どもの気持ちに寄り添ってきた柴田愛子さんに聞きました。
【年齢別記事 保育園のママ・パパ向け】
(1) 危険を察知できないパートナー 子の安全守るには
(2) きょうだいゲンカ 親はジャッジをしてはいけない ←今回はココ
(3) 公園で勝手に他人の物を使う子 対応次第で成長にも
◆これまでの記事一覧はコチラ
きょうだいゲンカに理屈は通じない
さっきまで仲良く遊んでいたはずなのに、気づけば始まっているきょうだいゲンカ。意地悪を言う声や争う声、泣きわめく声を聞いていると、親のほうまで悲しくなったりイライラしたり。仲裁に入ろうとして、つい大きな声を出してしまい、後で自己嫌悪に陥ったりすることもあります。
そもそも、なぜきょうだいゲンカは起こるのでしょうか。柴田さんは「きょうだいゲンカは『感情の爆発』」と説明します。
「保育園で疲れたり、嫌なことがあったりするなど、心や体がモヤモヤ・カッカしているときに、何かのきっかけで感情が爆発し、身近な人にぶつける……。それがきょうだいゲンカの正体です。相手のことが憎くて意地悪してやろうと思っているのではなく、『モヤモヤしている自分を分かって!』という気持ちの表れともいえますね」
きょうだいゲンカが起こり、一時的に仲が険悪になっても、「時間が経てば『悪いことしたな』と相手を思いやる気持ちも生まれ、関係性を修復したいと考えるようになります。そうしたときに、わざわざ『ごめんね』と言わなくても、何もなかったような顔をして一緒にご飯を食べていたら自然と仲直りできる。それができるきょうだいだからこそ、安心して感情をぶつけられるのでしょう」
ただし、きょうだいゲンカへの親の介入次第で「きょうだい仲が悪化する」こともあるそう。ケンカが起きたとき、親はどう関わるのがいいのでしょうか。引き続き柴田さんに聞いていきます。

・お互い手が出てしまうなど、ヒートアップしてしまったらどうする?
・上の子が下の子をいじめる……「下の子をかばう」がNGのわけ
・きょうだい育児、「子どもに丁寧に関われない」と罪悪感持つ必要はない