恐竜、昆虫、魚など、子どもには「好き」がたくさんあります。わが子が図鑑を見たり、大好きなものに思いをはせたりする姿を目の当たりにすると、子どもの「好き」を大事に伸ばしてあげたいと思うもの。でも親がその分野に詳しくない場合、こうした子どもの「好き」をどのようにサポートしてよいのかが分かりません。子どもの情熱を絶やさないために、親は何をしてあげればよいのでしょう。自身も幼い頃から恐竜が大好きだったという、国立科学博物館地学研究部研究主幹の木村由莉さんに話を聞きました。

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教えられなくても、親だからこそできるサポートがある

 「子どもの興味の火を絶やさないために、親が教えてあげられることはないかもしれないけれども、親だからこそできるサポートはありますよ」と話すのは、国立科学博物館で古生物学の研究に取り組む木村由莉さんです。

 「私は小さい頃からの恐竜ファンで、今もそうしたときめきを胸に化石に向かっています。自分自身好きなことを追い続けてきて思うのが、『好き』を持つことの強さです。

 子どもがコンピューター好きであれば、将来の仕事にも直結しそうで頼もしいですよね。それに比べて『恐竜が好き』は一見何の役に立つのかが分かりません。でも、『好き』は学びの最大のモチベーションになります。私もこの道に進むために苦手な数学を頑張って勉強した過去もあります

 子どもの学びがどこに向かって膨らんでいくかは未知数ですが、子どもの『好き』という軸は、学びを膨らませる最大のエンジンになることは間違いありません」

 子どもの「好き」を大事に育んでいってほしいと話す木村さんが、その興味を育む舞台としておすすめするのが博物館です。子のワクワクをめいっぱい膨らませていくためには、未就学児の子どもと一緒にどのように博物館をめぐればよいのでしょうか。6つのポイントに分けて聞いていきます。

国立科学博物館の木村さんがアドバイス
幼児の「好き」を伸ばすための、博物館の歩き方 6つのポイント


ポイント1:親子の会話の中から、子ども自身の問いを引き出す
ポイント2:研究ノートを作る
ポイント3:○○は持って行かない
ポイント4:一巡したら1カ所だけ戻る
ポイント5:展示の意図を理解させる必要はない
ポイント6:動物園のように何度も訪れる