まだ本格的な思春期には早いのに、お出かけや習い事の送迎、宿題の丸付けや音読などのとき、娘が「(パパよりも)ママがいい」と言うことはありませんか。なぜ、「ママがいい」と言うのか、その理由と対策について、目白大学心理学部心理カウンセリング学科教授の小野寺敦子さんに聞きました。
【年齢別記事 小学校低学年のママ・パパ向け】
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「ママがいい」という理由は?
保育園の頃はパパにまとわりつくように甘えていたのに、娘が低学年ごろになると、お出かけや習い事の送迎、宿題の丸付けや音読などをするときに「(パパよりも)ママがいい」と言うことはありませんか。特に深刻な理由がないのであれば、「パパにも子育てを分担してもらわなければ、仕事や家事が回らない」と困っているママも多いかもしれません。娘はどうしてそういうことを言い出すのでしょうか。
目白大学心理学部心理カウンセリング学科教授の小野寺敦子さんは次のように解説します。
「小学校の6年間は子どもたちが心身ともに成長し、親子の関係性も大きく変化する時期です。低学年の最初のうちは『親がいてくれないと困る』という状態だったのが、だんだんと友達を重視するようになり、子ども同士で公園に遊びに行く、といったことが増えてきます。『親にも甘えたいけれど、もう自立もしたい』という、アンビバレントな時期に入るんですね。そうした不安定な状態の中で、女の子は同性同士で心の機微を理解しやすい母親ではなく、異性である父親を避け始めることが多いようです」
もちろん「息子がパパを何となく避ける」「娘や息子がママを何となく避ける」ケースもあり得ますが、代表的な例が「娘がパパを何となく避ける」ケースだそう。
「娘が本格的な思春期に突入してしまうと、軌道修正が難しくなる場合も。まだ関係を修復しやすい低学年のうちに、親のほうも対応をアップデートする必要があります」
本記事では、「娘」が「パパ」を避けているケースについて、詳しく聞いていきます。まず考えるべきは「直接的な原因」。パパの言動が思春期前の娘に違和感を与え、心理的な距離があいてしまっている可能性があるからです。
特に理由がない場合は、ママに原因がないかどうかに目を向けてみるべき、と小野寺さんは言います。
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