両親が高学歴、世帯収入も高いとなると「わが子には最上の教育環境を整えてあげたい」と思うのは、当然のことかもしれません。そのため、早くから習い事や塾に通わせている高学歴親も多いことでしょう。しかし、文教大学教育学部教授で、子育て支援事業「子育て科学アクシス」の代表でもある成田奈緒子さんは「間違った早期教育は、子どもの人格形成に影響を及ぼす」と警鐘を鳴らします。どういった危険性があるのでしょうか。
【年齢別記事 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1) 高学歴親がハマりがちな間違った早期教育が子を壊す ←今回はココ
(2) 「出遅れに焦り、低学年からの進学塾通い」弊害は
(3) 内気な子が生きやすくなるソーシャルスキルの高め方
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「勉強さえできればいい」の末路は
親が高学歴、専門性を生かした仕事に就き、世帯収入も高い。何よりも「自分は高学歴で成功してきた」と思う高学歴親ほど、「子どもにも高学歴になってほしい」「早期から最上の教育を受けさせたい」と、いくつもの塾や習い事に通わせているのではないでしょうか。しかし、文教大学教育学部教授で、子育て支援事業「子育て科学アクシス」の代表でもある成田奈緒子さんは「『勉強さえできればいい』という学力至上主義は、家庭内がパワハラ、モラハラの温床となる恐れがあります」と言います。
「例えば近年、アカデミックな学界や医学界、政界などでパワハラ、モラハラなどが明るみに出ていますね。また、医学生や有名大学の学生による性加害などの犯罪も問題となっていますが、これらは『勉強さえできれば、他人を支配したり、虐げたりしても構わない』といったゆがんだ価値観を持ち、子どもの脳や心の発達が追いついていない家庭が増えていることが背景として考えられると思います」
子どもに「良かれ」と思って行う早期教育が逆効果となるのは、どんなときなのでしょうか。詳しく聞いていきましょう。
・父親が中学受験に関わりすぎることの問題点
・親自身の「生存者バイアス」が子どもを苦しめる
・「金銭的な余裕」が逆効果になる場合も
・早期に「得意分野だけを伸ばす」ことの弊害
