学校や塾から出ている宿題があるのに、自分からやろうとしないわが子に悩み、毎日口うるさく注意しているというママやパパは少なくないはず。わが子が高学年以降で自発的に勉強するようになり、「後伸び」するのを信じて待ちたいところですが、そんな日は来るのでしょうか。医師、臨床心理士で『子どもを信じること』(さいはて社)の著者でもある田中茂樹さんに聞きました。
【年齢別記事 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1) ベッタリ親子、高学年以降の親子関係や成績に悪影響
(2) 4子を非中受で育てた医師に聞く「後伸び」の信じ方 ←今回はココ
(3) 性教育「娘が初潮を迎えたら向き合う」では遅すぎる
(4) 「ファスト教養」動画や漫画 子に与えてもOK?
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「受験の悩み」が低年齢化している
低学年のうちから中学受験のために塾通いさせるなどして、「勉強しなさい」「宿題やったの?」と毎日声かけをしている家庭も多いかもしれません。ところが当の本人は宿題に手も付けず、塾にも行き渋る……。親としては「勉強の必要性が分かれば、子どもも自発的に勉強するはず」と信じたいところですが、一方で「このまま勉強せず、進学先がなくなったらどうしよう」「就職もままならないのでは」と不安を打ち消せないかもしれません。
共働きで4人の子どもを育てながら、医師、臨床心理士として今までに約5000件の親の悩みをカウンセリングしてきた田中茂樹さんは、「以前は中・高学年以上に多かった『宿題をしない』『塾に行かない』『塾での成績が落ちて、クラスが下がってしまった』といった悩みが低年齢化しているように感じます」と言います。
「中学受験をする子が増え、受験対策が早期化していることが原因でしょう。しかし、親が強制的に勉強させると子どもが勉強嫌いになるだけでなく、知的好奇心や生きる力を奪ってしまいます。親はわが子が自発的に動き、後伸びすることを信じて見守るべきです」
そうはいっても、その「信じること」が難しい。いったい、どうすればいいのでしょうか。
・親の〇〇が子の後伸び力を奪う
・どうすれば後伸び力は身に付く?
・親はいつまで待てばいい?
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