コロナ下での自粛生活を機に、増え続けているのが「子どもの近視」です。ゲームやスマホ、テレビに接する時間が格段に増え、子どもの目の負担はこれまで以上に大きなものになっています。その影響を特に受けやすいのが、6~8歳の子どもたち。将来的なリスクや、子どもたちの視力を守るために今すべきこと、子どもの正しい眼鏡の選び方などについて、国立成育医療研究センター小児外科系専門診療部 眼科診療部長の仁科幸子さんに聞きました。
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小1~3年生で近視になる子が増加
「最近の研究で、子どもの視力低下が進みやすいのは、小学1年生から3年生ぐらいの時期だと分かってきました。実際、小学校低学年に近視のお子さんが増えています」と話すのは、子どもの目の病気に詳しい国立成育医療研究センター小児外科系専門診療部 眼科診療部長の仁科幸子さんです。
2022年7月に文部科学省(以下、文科省)が発表した「令和3年度学校保健統計調査」の速報値(11月に確報値を発表)によると、裸眼視力1.0未満の子どもの割合は、小学校1年生で約4人に1人、小学3年生で約3人に1人でした。「黒板の字を読むには0.7以上の視力が必要で、裸眼1.0未満だと近視の可能性が高いとされます。つまり、小学1年生でも約4人に1人が近視かもしれない、というわけです」
「子どもの近視を予防したり、進行したりしないようにするには、6~8歳の時期をどう過ごすかがとても重要です」と仁科さんは話します。
また、デジタル機器の使い過ぎは、黒目が内側に寄ってしまう内斜視になりやすいことも問題になっています。「もともとの弱視や斜視がある場合、治療で一旦は改善していても、視聴時間が増えることで再び悪化することもあるので注意が必要です」
多少、視力が落ちても子どもが不便を感じていなければ、放っておいても大丈夫なのでは? と思うかもしれませんが、低年齢で近視が進行すると、将来、目にさまざまな影響が出てくるといいます。どのようなリスクが考えられるのでしょうか。
詳しく聞いていきましょう。
・子ども時代の近視が、成人の病気発症リスクを緑内障14倍、網膜剥離22倍、黄斑変性40倍に引き上げる
・近視になりやすい東アジア人、最も有効な予防策は「○○時間を増やすこと」
・「眼鏡を作ると近視が進む」が正しくない理由
・子どもの眼鏡選び、おすすめは○○○○○○○がいる店
