「毎朝親に起こしてもらう」「1人で留守番できない」「1人で寝られず、親と同室で寝たがる」……。もう高学年になったのに、なかなか親離れできない子、その背景にあるものは何なのでしょうか。また、本人の自立のために親ができることはあるのでしょうか。文教大学教育学部教授で、子育て支援事業「子育て科学アクシス」の代表でもある成田奈緒子さんに聞きました。
【年齢別記事 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1) 高学年 理不尽な人間関係が対応の引き出しを増やす
(2) 入試も有利に 高学年のディベート授業で身に付く力
(3) 親離れできない高学年 背景に高学歴親の存在 ←今回はココ
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「親離れできない」は「危険信号」
「毎朝親に起こしてもらう」「1人で留守番できない」「1人で寝られず、親と同室で寝たがる」……。高学年になったのに、なかなか親離れできない子、その原因は何なのでしょうか。本人の自立のために、親ができることはあるのでしょうか。
「親離れできていない子は、反抗期もなく親に従順であり、親からすれば『育てやすい子』でもあります。けれども高学年になっても親離れできていなかったり反抗期が見られなかったりするのは、危険信号の場合があるのです」と成田さんは言います。
年相応の自立ができていないだけでも、親離れできていないのは心配ですが、成田さんによると問題はそれだけではないようです。
「親の前ではとてもいい子で、反抗するそぶりすら見せない子の中には、実は親の求めるいい子でいようと頑張り、かなり無理をしてしまっているケースがあるのです。その結果、学校など家以外の場所で暴力性が出てしまったり、不登校や引きこもりの問題に発展したりすることもあります」
こうした親離れできない・反抗できない子の親には、「共通の特徴がある」と成田さん。引き続き成田さんに聞いていきます。

・子育てとは「子どもに対する心配を減らし、信頼を増やすこと」
・親の失敗談を話し、駄目な部分を見せることで子の不安を軽減
・無理に自立を促すと、子は「見捨てられた」と感じる