何事も全力で取り組む「頑張り屋さん」の子どもの親は、ついつい安心し、「わが子は大丈夫」と油断してしまいがちです。しかし、このタイプの子どもには、知らぬうちに自分を追い詰め、つぶれてしまうリスクも潜んでいるようです。そのような事態を回避するために、親はどのようなことを心がけ、声がけをしたらよいのでしょうか。心理カウンセラーの三浦くみ子さんに聞きました。
【年齢別記事 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1) 「頑張りすぎる子」がつぶれないための親の声がけ ←今回はココ
(2) 御三家合格ママ伝授 タスクの抜け漏れ防ぐ手帳術
(3) 中学受験のイライラ 親子の課題を切り分ければ楽になる
(4) 親から子への「呪い言葉」 傷つき、犯罪に走る子も
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「頑張ること」を称賛し続けるのは危険
「中学受験に向けて一生懸命頑張る」「クラス委員の立候補に手を挙げるなど、どんな係も進んで担当する」「宿題も復習も自分からしっかり行う」「授業中も積極的に発言する」――。そんな「頑張り屋さん」の子どもを持つ親は、つい安心してしまいがちかもしれません。しかし、頑張りすぎる傾向がある子どもには、ある日突然疲れて学校を休んでしまったり、やる気をなくしてしまったりといった危険も潜んでいるようです。
「頑張りすぎる」わが子に対して、親はどう接し、声がけをしたらよいのでしょうか。「小学校高学年は、親の言うことをまだまだ素直に受け止める純粋さがあり、親からの適切な声がけがとても大切です」と、三浦さんは言います。
「何事も頑張れる気質を持っていることは素晴らしいですよね。でも、そんなわが子に対して、親が『頑張ること』『一生懸命に努力すること』を全力で称賛し続けるのは要注意」と三浦さん。
「よくある親のNG行動としては、頑張り屋さんの子どもが、疲れて何かできなくなったときに、『やればできる子なんだよ』『あなたはもともとできる子だから』と励ましてしまうこと。すると子どもは『うまくできていない今の自分はダメなんだ』と思ってしまうんです。親が期待をかけ過ぎてしまうことで、子ども自身が期待に添えない自分を見せたくなくて頑張れない状態に陥ってしまうケースがあります」
特に、頑張ってきたのに思うような結果が出せないときの子ども自身のダメージは小さくなく、子どもが燃え尽きてしまわないように、親は慎重に声がけをする必要があるようです。詳しく聞いていきましょう。
・わが子を「燃え尽き症候群」にさせない親の声がけ
・「褒め過ぎ」が頑張る子どもを追い詰めてしまう理由
・頑張り過ぎて学校に行けなくなったわが子にかけたい言葉
・進級シーズンならではの注意点も
ほか
