子どもが中学受験態勢に入ると親のタスクは一気に増えます。仕事だけでも忙しいのに、しなければいけないことが多過ぎて、学校見学の予約を忘れた、当日行くのを忘れた、という痛恨のミスをした人も多いのではないでしょうか。頭の中の整理が追いつかないとき、タスクの抜け漏れを防ぐにはどうしたらいいのでしょう。そこで、子育てコーチングとアドラー心理学を掛け合わせた独自メソッドを柱に多くの受験親にアドバイスをしているたなかみなこさんに、紙の手帳をフル活用してタスクの抜け漏れを防ぐスケジュール管理術を聞きました。

【年齢別記事 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1) 「頑張り屋さん」がつぶれないための親の声がけ
(2) 御三家合格ママ伝授 タスクの抜け漏れ防ぐ手帳術 ←今回はココ
(3) 中学受験のイライラ 親子の課題を切り分ければ楽になる
(4) 親から子への「呪い言葉」 傷つき、犯罪に走る子も

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形に残る手帳は、子育てメモリアルの最たるもの

 シンクタンクの研究員として働きながら7年前に長女を中学受験させ、御三家校に合格に導いた経験があるたなかみなこさん。現在は子育てコーチングとアドラー心理学を基に、多くの中学受験親たちに親子関係のあり方をアドバイスしています。

 たなかさんは中学受験親のとき、紙の手帳とスケジュールアプリを併用していました。

 「中学受験関連で親がすべきタスクやスケジュール管理はとても複雑で、スマホのアプリでスケジュール管理をするだけでは頭に入りにくく、うっかり忘れも起きやすいです。アプリと紙の手帳を併用し、手を動かして2度、3度と手帳に書き込むことで頭の中が整理できました

 たなかさんは、紙の手帳について、パッと開いてすぐに書き込めたり、パラパラめくって情報が探せたりする使い勝手のよさと共に「形として手元に残る」ことも魅力だと話します。

 「娘の中学受験当時の手帳は私にとって子育てメモリアルの最たるものになっています。娘が落書きしたページはほほえましい気持ちになりますし、スケジュールが立て込んでいるページを見ると『よくぞ乗り越えた』と、そのときの気持ちがよみがえります。当時は本当に忙しく、記入するのさえ大変な日もありました。でも、休日や娘が塾に行っている間など少し余裕があるときにまとめて書けばいいと思うことで続けられました。複雑なスケジュール管理もアプリと併用したことで抜け漏れなくできました」

 使っていた手帳はA6サイズ。主にマンスリー(見開き1カ月)、デイリー(1ページ1日)、フリー(自由記入)のページで構成されています。たなかさんは、ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」から発売されている『ほぼ日手帳』を使っていましたが、同じ構成なら他の手帳でもかまいません。A6とはA4を4つに折りたたんだ大きさ。このサイズで1日分となると、かなりたくさんのことが書けそうです。それぞれのページに何を書き、アプリとどのように連動させていたのでしょうか。

【この記事で読める内容】
●マンスリー、デイリー、フリーのページの使い分けは
●抜け漏れを予防するために押さえる4つのステップ
●1冊の手帳に情報を集約させるメリット
●メンタル管理に役立った小さなノート