人の数だけ悩みもある。どんなに年を重ねても、悩みの種は尽きません。あなたの悩みに寄り添う連載、今回は「『自分に自信がない』と考えてしまう自分が嫌い」というお悩みです。今回はモデルでタレントの西山茉希さんに回答していただきました。

(上)西山茉希 自分を否定する言葉、自分に言うのをやめた  ←今回はココ
(下)西山茉希 ほしいのは「心の支え」よりも「心の柔軟性」

自分が嫌いです

 「とにかく自分が嫌いなんです」。そう話すのは、都内でPRの仕事をするサユリさん(27歳、仮名)だ。

 幼い頃から、母親に「あなたは、何をやらせても鈍臭いわね」とよく言われていた記憶がある。出かけるときの身支度も、「早くしなさい、置いていくわよ」としかられた。英語塾や絵画教室、ピアノや体操、スイミングなどたくさんの習い事をしてきたが、勉強もずば抜けた成績には達しなかったし、絵画も運動も音楽も何一つ開花しなかった。

 期待に応えられないことに対して、明らかに母は失望していた。しかし当のサユリさんは、あまり気にすることなく楽しく学生生活を過ごしていたという。それは周囲にいた、朗らかな友人たちのおかげだったかもしれない。サユリさんが自分を嫌いだと感じるようになったのは、社会人になってからだ。

 「社会に出ると、この世には自分より優秀な人が大勢いると圧倒され、自分は何もできないのだと思い知らされました。自分に自信がなくなってしまったのも、社会人になってから。特に3年目を過ぎた頃でしょうか。

 もちろん、社会に出たばかりの自分と今の自分を比べたら、圧倒的に『できること』が増えている実感もあります。時には上司や同僚に成果を認めてもらえて自分の成長をうれしく思うこともある。でも、それはいっときの感情。またすぐに『自信がない』と思ってしまうんですよね。そして、そう考えてしまう自分が嫌いです」

西山茉希さんに聞いてみた

 今回話を聞いたのは、モデルやタレントとして活躍する西山茉希さん。「今の自分を好きになれた」と言う彼女は、いかにして自分を好きになっていったのだろうか。

西山茉希(にしやま・まき)さん
1985年、新潟県生まれ。2004年にファッションモデルとしてデビューし、現在はタレントとしても活動している。著書に『だいじょうぶじゃなくてもだいじょうぶ』(大和書房)