人の数だけ悩みもある。どんなに年を重ねても、悩みの種は尽きません。あなたの悩みに寄り添う連載、今回は「結婚しなくてはダメですか」というお悩みです。お笑い芸人のふかわりょうさんに回答していただきました。

【前編】ふかわりょう 結婚する、しないにとらわれないで  ←今ココ
【後編】ふかわりょう 方向性に疑問、仕事激減するも後悔なし

結婚しなくてはダメですか

 「結婚」に憧れていた時期もあった。幼稚園の頃、親戚のお姉さんのウエディングドレス姿を見て、キラキラした衣装を私もいつか着たいと思った。今思えば、「結婚」そのものではなく「ウエディングドレス」に憧れていたのだと分かる。

 繊維メーカーで働く茜さん(仮名、28歳)は、バリキャリ志向ではなく、「そつなく仕事をこなして、まずまず評価をされていればよい」と思う一人だ。茜さんには、仕事よりも大切なものがある。推しの存在だ。

 「推しの存在はかけがえのないもの。ただただ彼らが健康で、幸せでいてくれたらと願う毎日です。気分がふさぐとき、どうしようもなく寂しいとき、いつも彼らの存在に助けられています。推す対象は代わったものの、小学生の頃からずっと誰かを推してきました。

 推しとは結婚できないだなんて分かっています。そんな現実的でないことは望んでいません。でも私はこのまま推しを追いかける生活でもいい。けれど周りの友人たちは婚活をしていて、マッチングアプリを通じて付き合ったり、婚約したりする人もいる。そろそろ私も『結婚するのか、しないのか、そもそもしたいのか』を真剣に考えなくてはと思うけれど、まったくその気が起きないんです。結婚って、しなくてはダメなんでしょうか」

ふかわりょうさんに聞いてみた

 そこで今回は、お笑い芸人のふかわりょうさんに話を聞いた。

ふかわりょう
1974年生まれ。慶応義塾大学在学中の94年にお笑い芸人の門をたたき、「小心者克服講座」で大ブレイク。後に「いじられ芸人」などを経て、現在はテレビ番組のMCやラジオパーソナリティー、ROCKETMAN名義で全国各地のクラブでDJをするなど各方面で活躍中。著書に『世の中と足並みがそろわない』『ひとりで生きると決めたんだ』(ともに新潮社)など