何かを成し遂げた女性は、華々しいキャリアで順風満帆に見える。でも実は、見えないだけで、思い通りにいかず悔しくて、泣いて、もがいて、落ち込んで……「失敗だらけの道」を歩んでいるのかも。先輩たちの生々しい失敗談に、転機の乗り越え方、転び方、失敗を最高の糧にするヒントを学ぶ連載。今回は、タレント、身体美容家、事業家など多彩に活躍中の優木まおみさん(42歳)の失敗図鑑(上編)です。

(上)優木まおみ 夢を諦めた過去 中途半端な自分に悩み ←今回はここ
(下)優木まおみ 仕事も家庭も「なんとかなる」は甘かった

アナウンサー志望も不採用、芸能界へ飛び込む

 現在、タレント活動に加え、ブランドプロデュースやピラティスのインストラクターなど、マルチに活躍中の優木まおみさん。「身体美容家」として身体美容家認定協会の代表としての顔も持ち、多様な働き方を実践している。タレントとして二児の母として充実している人生を歩んでいるが、今に至るまでにはいくつかの失敗を重ねてきたのだそう。

 優木さんが芸能の道へ進んだのは、大学を卒業した直後のこと。小さな頃から夢見ていたアナウンサーの採用試験に落ちたことがきっかけだった。不採用から気持ちを切り替え、現在も所属している事務所のオーディションを受け、合格。間もなくCMでデビューを果たしたが、しばらくの間は仕事のない状態が続いた。

 「大学在学中にやっていたバンド活動の延長で歌ってみたり、キャスターやリポーターのオーディションを受けてみたりしましたが、思うようにはいきませんでした。すっかり自信を失い、オーディションでは自分の人間性や見た目など、自分の全てを否定された気になっていました。当時を振り返ってみれば『大変だった』と感じる苦しい日々を、ただ必死に生きていた気がします」

 今ではテレビ番組をはじめ、雑誌やWEB媒体などさまざまなメディアに登場しているが、優木さんが芸能の道を選んだきっかけは、憧れの職業に就けなかったという挫折だった。