令和の時代を、時に迷いながらも前に突き進む起業ママや副業ママたちの挑戦を紹介する本連載。第4弾に登場するのは、2011年に32歳で起業し、21年から中高生向けに開発したデジタル教材「InterEd(インターエド)」を提供し始めた大洲早生李さんです。離婚を機に、20代から抱き続けた「海外に拠点を持つ」という夢を実現させたといいます。40代で大きな挑戦に踏み切った理由や教育事業への思いについて聞きました。
前編 離婚を機に3児を連れ米国移住 教育事業に挑む思い ←今回はココ
後編 自律を促す家庭教育が4児育児と会社経営を可能に
別居婚&双子妊娠の壁で退社、「キャリアを諦めたくない」と起業
32歳だった2011年に起業、19年に米シリコンバレーで海外法人を設立し、20代から抱き続けた「海外に拠点を持つ」という大きな夢を実現させた大洲早生李さん。現在は米カリフォルニア州を拠点に、4児を育てながらグローバルマーケティングと教育の2つの事業を展開しています。21年に開発した中高生向けのデジタル教材「InterEd(インターエド)」は、世界の社会起業家などが取り組むソーシャルビジネスを題材にSTEAM学習の要素も取り入れており、ディスカッションなどのグループワークを通して課題解決力や起業家精神を養うプログラム。現在、日本の私立校など20校が採用しているといいます。

慶応義塾大学卒業後、日立製作所でIT営業や海外マーケティング、宣伝・広報業務に携わっていた大洲さん。03年に結婚してからは、東京と名古屋での遠距離・別居婚を続けながら意欲的に仕事をこなしていましたが、双子の妊娠・出産のために入社8年目で退社し、名古屋で生活することに。しかし、妊娠・出産でキャリアを諦めたくないと、女性視点のマーケティングとリサーチに強みを持つフリーランスとして独立しました。
共働き家庭の増加に伴いママ視点を取り入れた商品・サービスのニーズが高まったことが追い風になり、独立後は安定して仕事の依頼を受けるようになったといいます。仕事の幅をさらに広げたいという思いから、第3子出産直後の11年4月、32歳でグローバルマーケティングの会社、グローバルステージを設立しました。
マーケティング事業では、ママや子育ての分野に強みを持ち、事業のコンセプト開発や商品・サービス開発、広報・PRなどの依頼に幅広く対応しています。これまで大手自動車部品メーカーや大手教育出版社、大手飲料のグループ企業などからの業務を請け負った経験も。徐々に案件が増えてきたことから、掲示板や知人の紹介などを通して、タイや台湾などのアジア諸国をはじめ、北米、西欧の国に住む約200人の日本人ママリサーチャーのコミュニティーをつくり、案件ごとに請け負いを希望するリサーチャーに発注するようになりました。