コロナ下も4年目となった2023年度の中学受験。首都圏では受験校選びにどのような動きがあったのでしょうか。そして、今後はどのような視点で学校選びをしていけばよいのでしょうか。中学受験の動向に詳しい森上教育研究所の森上展安さんに話を聞きました。

2023年度中学受験者数、少子化でも1000人増

 首都圏(1都3県)の中学入試では、東京・神奈川の入試解禁日(入試が開始される日)となる2月1日の午前入試を受けた受験生の数が、その年の受験者数を表す基準になっています。コロナ下で4年目を迎えた23年度入試では、何人の小学生が中学受験にチャレンジしたのでしょうか。

 下のグラフは08~23年までの私立中学受験者数の推移と受験率を表したものです。

 森上さんはこう解説します。

 「近年、首都圏の私立中高一貫校の受験者数は増加傾向が続いています。08年のリーマンショック後、一時期減少傾向が続きましたが、大学入試制度改革の不安などから16年を境に増加。20年にはついに4万人の大台を超えました。その後、コロナ下でも増加傾向が続き、23年度の受験者数は4万3027人に上りました。昨年と比較すると約1100人の増加となり、そのうち約900人が男子となっています。ただ、神奈川県については昨年とほぼ同数でした。つまり、東京都の男子受験者数が飛躍的に増えているということです」

 では、今年の受験生はどのような学校を多く受験したのでしょうか?