子どもが学校に上がると親が避けて通ることができないのがPTA活動。「子どもたちのため」であれば参加したい一方で、子育てと仕事の両立で時間がないなか、実際問題PTAのために時間を割くのが大変というのも事実。活動においては「なんで、どうしてこうなるの?」といったモヤモヤを感じたり、「どうしよう!」というピンチの場面に直面したりすることもありがちです。こうしたPTAの在り方は今や社会問題の1つにもなっています。本連載では、そんな親のモヤモヤや、「あのとき、一体どうすればよかったの?」の声に答えながら、PTAをよりよいものに変えていくための参加の方法や、これからのPTAのあり方について考えていきます。連載2回目の今回は、連載2回目の今回は、前回記事「PTAのモヤモヤ 欠席者もいる場で負けて委員長に」に続きPTA問題に詳しいライターの大塚玲子さんに、PTA活動の非効率さの改善方法について回答してもらいます。【DUAL特選シリーズ/2022年12月28日公開記事】
【PTAの非効率さに閉口してしまいます】
今年、小学校のPTAのある委員で委員長を務めています。活動内容に比べて委員の人数が多すぎるため、委員長として全員を束ね、そのつど意見を募って細かく合意形成を図り、役割を分担して仕事を割り振る……といったことに神経をすり減らしています。活動内容に適した人数(数人程度)のほうがよほど楽だっただろうと感じています。
また、日々の連絡はLINEを活用しているのですが、仕事が終わってから膨大なLINEに目を通すのが大変で、本当にこのやり方が効率的なのかも疑問です。お互いに、顔を合わせない状況の中でどこまで意見を言ってもいいの分わからず、忖度(そんたく)合戦になり、遅々として話が進まないことも。
さらにわが校のPTAは、委員*は1年ごとの交代のため、メンバー全員が「初めまして」の人ばかりです。初めてのことなので、引き継ぎ書や議事録などに目を通しても、すんなり頭に入れることは不可能です。結局そのつど、前年度の委員や本部**役員から情報をかき集めなくてはならず、とても非効率でした。
同じメンバーで継続的に事業を行っている会社組織であれば、このように非効率な状況にはならないはず。上下関係がない中で人を何とかまとめるスキルや、情報が整理されていない中で、情報収集からスタートしてやるべきことを組み立てていくスキルなど、通常の仕事よりもはるかに高度なスキルが必要とされていると感じました。
とはいえ、来年のメンバーのために、今やっていることすべての記録をしっかり整理して残すことまではとてもやりきれないため、こうした理由で、毎年非効率な運営が繰り返されてしまうのかなとも思っています。
*クラス代表委員や専門委員のこと。学校によって「役員」など呼び方はさまざま。以下「委員」
**PTAの運営サイド。執行部、中央など名称はさまざま。以下「本部」
また、日々の連絡はLINEを活用しているのですが、仕事が終わってから膨大なLINEに目を通すのが大変で、本当にこのやり方が効率的なのかも疑問です。お互いに、顔を合わせない状況の中でどこまで意見を言ってもいいの分わからず、忖度(そんたく)合戦になり、遅々として話が進まないことも。
さらにわが校のPTAは、委員*は1年ごとの交代のため、メンバー全員が「初めまして」の人ばかりです。初めてのことなので、引き継ぎ書や議事録などに目を通しても、すんなり頭に入れることは不可能です。結局そのつど、前年度の委員や本部**役員から情報をかき集めなくてはならず、とても非効率でした。
同じメンバーで継続的に事業を行っている会社組織であれば、このように非効率な状況にはならないはず。上下関係がない中で人を何とかまとめるスキルや、情報が整理されていない中で、情報収集からスタートしてやるべきことを組み立てていくスキルなど、通常の仕事よりもはるかに高度なスキルが必要とされていると感じました。
とはいえ、来年のメンバーのために、今やっていることすべての記録をしっかり整理して残すことまではとてもやりきれないため、こうした理由で、毎年非効率な運営が繰り返されてしまうのかなとも思っています。
*クラス代表委員や専門委員のこと。学校によって「役員」など呼び方はさまざま。以下「委員」
**PTAの運営サイド。執行部、中央など名称はさまざま。以下「本部」
(千葉県、小学校3年生の男の子のママ)
今回の回答者
大塚玲子さん(PTA問題に詳しいライター)