「日経WOMAN」が、この1年に各界で最も活躍した働く女性に贈る「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2023」。受賞者のお一人が、ICHIGO代表の近本あゆみさん。世界180の国と地域で「お菓子のサブスク」の越境ECを展開し、起業6年目で年商40億円に成長させました。そんな近本さんのキャリアの軌跡に迫りました。

株式会社ICHIGO 代表取締役CEO
近本あゆみさん(38歳)
1984年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、リクルートに入社。『ホットペッパービューティー』の営業、EC事業ポンパレの立ち上げに携わる。退職後、2015年に海外向け通販会社movefastを起業。21年、社名をICHIGOに改称。2児の母。


●受賞理由1
「お菓子のサブスク」を始め、世界180の国と地域に展開、年商40億円に!
2015年から日本のお菓子の詰め合わせをサブスクリプションで販売。現在の顧客は世界180の国と地域で、22年には年商40億円に到達。

●受賞理由2
自治体とコラボで地方を支援。老舗和菓子の販路を生み出す
自治体と連携して地域の詰め合わせ商品を企画。インバウンド消費が激減して困っている地方老舗和菓子メーカーの新たな販路に。

米国の「サブスクバブル」を見逃さず、友人と起業

 日本ではおなじみのお菓子を詰め合わせた箱をサブスクリプション(定額課金)で海外向けに販売するICHIGO。欧米の人気YouTuberが取り上げたことを機に注目を集め、売り上げは右肩上がりに。起業6年目で年商40億円を突破し、今では世界180の国と地域に向けて日本のお菓子や雑貨を販売する。

 近本あゆみさんがサービスを着想したきっかけは、会社員時代に東京・銀座で爆買いする外国人観光客を見たこと。「日本のお菓子は海外で売れると確信。旅行客が必ず空港やコンビニで買う菓子に着目しました」。2015年の起業当時、アメリカでは「サブスクバブル」が起こっており、音楽や映像だけでなく食品、雑貨と幅広い分野でサブスクが展開されていた。「サブスクなら注目度が高いうえ、定期的に届く商品を通じて日本文化に長く親しんでもらえる。売り上げが安定する利点もあり、サブスクの形態を選びました」。海外の動向に詳しいインドネシア人の友人と自信を持って起業したものの、菓子業界は保守的で、実績のない会社にお菓子を卸してくれる問屋は皆無。「割高でしたが『ドン・キホーテ』や『おかしのまちおか』、コンビニなどで商品を仕入れ、自宅で箱詰めをし、発送していました」。立ち上げ当初は月間30~50個程度だった申し込みが、3カ月目には数百個に伸び、予想外の需要に手応えを得る。

発売中の日経WOMAN1月号では、「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2023」受賞者たちの「逆境を救った言葉」や、審査員が今年の受賞者のキャリアから導き出した「やりたいことで自己実現するための4つのキーワード」のほか、「人生の景色が変わる本&映画&ドラマ」特集にて、受賞者の一部によるおすすめ本も紹介しています