これからの未来を担う「Z世代」。1990年代半ばから2000年代に生まれた彼らの目に、現代の日本経済やカルチャー、社会課題はどのように映っているのでしょうか。この連載ではメディア事業やPR事業を手掛けるユニーク協力のもと、毎回3人のZ世代を招き、さまざまなトピックについて話を聞きます。今回のテーマは「Z世代の考える理想のリーダー像」です。
部下がいなくても「リーダーシップ思考」を持つ
編集部(以下、――) これまでのキャリアの中で、リーダーポジションに就いた経験はありますか。
藤井優花さん(以下、藤井) 今まさに、リーダーポジションに就いています。私の所属しているボーダレス・ジャパンは社会起業家が集まり、貧困・環境問題をはじめとする社会問題に関する事業を展開しています。私も将来、社会起業家になりたいと考えており、現在は事業の一つであるクラウドファンディングサービスでキュレーターを務めています。新しい社内制度として、「社会起業家を希望する人が1カ月限定で事業リーダーをする」というものに取り組んでおり、2022年12月から1カ月間、そのポジションを担当することになりました。
事業リーダーは、売り上げを立てる、組織づくりをする、ソーシャルインパクト(社会的影響力)を創出するという3つの目標に向かって主体的に行動することが求められています。責任の大きいポジションなので不安もありますが、若手時代にリーダーを務めた経験は、起業したときにきっと役に立つだろうと思うので、奮闘している真っ最中です。
関芳実さん(以下、関) 私は現在、横浜市立大学に在学しており、21年に友人とStockBaseを創業しました。物品を有効活用したい企業とそれを受け取りたい支援団体をマッチングするプラットフォーム事業を展開しているのですが、リーダーを名乗るのがおこがましいほど、まだまだ分からないことだらけです。
私たちの社会人経験が少ない分、応援してくれる人を増やすことに力を入れています。例えばビジネスコンテストにたくさんエントリーして、自分たちのビジョンや成し遂げたいことを積極的に発信しています。共感の輪を広げてサービスの立ち上げや成長のサポートなどをしてもらうことで、事業を前に進めることができています。
髙田理世さん(以下、髙田) 私は九州副支部長という肩書ながら、藤井さん、関さんのように部下のいるリーダーポジションというわけではありません。しかし、社会をけん引するという意味でのリーダーを目指しているので、自分自身をリードするという「リーダーシップ思考」を持つように心がけています。
リーダー経験のないまま企業や組織をけん引する立場になって能力を発揮するのは難しいので、まずは自分自身に対してリーダーシップを発揮することが大事だと考えています。