23万人以上のリスナーを持ち、「ジャパンポッドキャストアワード」殿堂入りの「歴史を面白く学ぶコテンラジオ」を手掛けるCOTEN代表取締役CEO深井龍之介さん。自身初の著書『世界史を俯瞰して、思い込みから自分を解放する 歴史思考』では、歴史から学び、物事への俯瞰(ふかん)的な視点の持ち方を得る“歴史思考”を提案しています。経験を積み大人になった今だからこそ心に響き、世の中の見え方が変わる新しい教養への入り口を全3回でお届けします。
(1)歴史思考:歴史を知れば現代に生きる自分を客観視できる ←今回はココ
(2)深井龍之介「こうあるべき」が悩みを生む 断ち切るには
(3)女性権利獲得の歴史に学ぶ 変化の過渡期に必要なもの
変化の速い時代、教養を学んで自分の判断軸を磨く
皆さん、はじめまして。COTEN 代表取締役の深井龍之介といいます。「メタ認知のきっかけを提供する」をミッションに掲げ、膨大な世界史の情報をデータベース化し、ビジネスに活用するという活動に取り組んでいます。
歴史の教養を学ぶことで、過去の事例という比較対象ができ、自分が認知している物事を客観視するメタ認知能力が身に付くと僕は考えています。教養は、直接的に仕事に役立つものではありません。しかし、現代を生きる僕たちにとって、教養はとても重要なものになってきています。
なぜなら、現代が、人類史上最も自由でさまざまな生き方を選ぶことができる特殊な時代だからです。「個人の生き方」が問われる時代となり、僕たちは、どう生きるかを自分の頭できちんと考え、選んでいく必要があります。価値観の多様化が進んだことで、それまで当たり前とされてきた情報や知識がいつの間にか陳腐化し、スタンダードがどんどん入れ替わっています。しかも、そのスピードはとても速い。変化の速い時代は、可能な限り「思考のOS」をアップデート(更新)していかなければいけません。価値観の書き換えを定期的にすることで、多くの視点が得られ、自分の中の判断軸は磨かれていくのです。
思考OSのアップデートの間隔が短くなった理由は、コミュニケーション技術の発達と関係があると思っています。