罰金覚悟でクオータ制に違反する党も

 しかし99年に憲法が改正されて「パリテ条項」が追加され、2000年にパリテ法が制定された。男女平等の政治参加を目的とし、下院選挙では各党は候補者を男女同数にすることが義務づけられている。上院議員選は二回投票絶対多数制と比例代表制の複合方式で、後者では候補者名簿に男女交互方式で掲載することが課せられている。

 違反すると罰金(助成金の減額)だが、国会議員に立候補する政治家は男性たちで占められているため、女性を名簿に記すよりも罰金を選び、あえて違反する党が最初は多く、罰金額が上がった。それは現在にも至り、2020年には元閣僚から「罰金を5倍に」という発言が飛び出したほど。国政選挙だけでなく、県議会、市町村議会でもパリテが定められ、2021年のフランス全土市議会選で、選挙管理委員会は、違反した政党の候補者名簿を不受理とした。

 2021年11月時点で、下院の女性議員の比率は約40%(パリテ法以前の90年代は約5%)で、 上院では現在約35%にとどまっている。

 一方、パリの区議会に目を移すと、状況は少し異なる。例えばパリ左岸、中流住宅地である13区の「2021年便利帳」には、区議会議員の紹介ページが写真付きであるが、ほぼ交互に男女が並び、一目瞭然の男女バランスだ

パリ13区の「2021年便利帳」には、区議会議員の顔写真と名前が男女交互に掲載されている
パリ13区の「2021年便利帳」には、区議会議員の顔写真と名前が男女交互に掲載されている

 女性にとっては日常の出来事をダイレクトに相談できる区議会議員に女性が多いのは心強い。日常には残念ながらまだ、女性が直面しやすい問題があり、それを素早く理解し、生活課題としてすくい上げ、解決に導いてくれることが期待できるからだ。