「2030年までに女性上級管理職40%」を義務づけ

 経済分野でも、2021年10月、上院が大企業管理職のパリテ法案制定を可決した。

 すでに2011年からは、上場企業120社以上の取締役会に女性を40%入れることが義務づけられていたが、対象がさらに広がった。1000人以上の従業員を抱える企業は、上級管理職や上層幹部に、2027年には30%の、2030年には40%の女性を登用することとなった。法によって、経済分野の男女平等を加速させる。

 素晴らしいのは、この法案がシングルマザーに対する研修や保育園の優先権にも触れていること。政界に女性が存在する今だからこそ生まれた、現実的な法案ではないだろうか。

 2021年のジェンダーギャップ指数が16位だったフランスにも、まだまだ努力し革新していく要素は多分に残っている。しかし120位の日本が参考にできる点はありそうだ。もしかしたらフランスのように、法の力が必要なのかもしれない。「違反」の言葉を突きつけられて初めて、それが良くないことだと気づくこともあるからだ。

性別ではなく能力が問われる時代に

 2022年にフランスは大統領選を迎える。ドイツのアンゲラ・メルケル前首相は、フランス人にも評判が悪くなかった。フランス次期大統領選には、主要候補に3人の女性がいる。

 1人は、前回も立候補し、男性以上に男性だとも批判されたマリン・ルペン氏(この言葉を深読みすれば、女性らしい采配をする大統領が待たれているということか)。もう1人は、現パリ市長のアンヌ・イダルゴ氏。そして2021年12月になって立候補を表明し、現在メディアをにぎわし一気に人気を集めている、バレリー・ペクレス氏である。

(左)22年フランス大統領選に立候補している極右国民連合のルペン党首。(中)中道左派社会党のイダルゴ氏。写真(2枚とも):AFP/アフロ。(右)共和党公認候補のペクレス氏。写真:ロイター/アフロ
(左)22年フランス大統領選に立候補している極右国民連合のルペン党首。(中)中道左派社会党のイダルゴ氏。写真(2枚とも):AFP/アフロ。(右)共和党公認候補のペクレス氏。写真:ロイター/アフロ

 過去、ニコラ・サルコジ氏が当選した07年の大統領選では、女性候補のセゴレーヌ・ロワイヤル氏が最終対決まで残った。女性候補たちの主張は多様であり、ここまでくればもう、性別とは無関係に、大統領としての器が問われていると感じる