2021年12月10日に開催されたイベント「ジェンダーギャップ会議」では、デジタル大臣の牧島かれん氏が「デジタルと多様性が巻き起こすイノベーション」をテーマに基調講演を行いました。リポートをお届けします。

仕事のやり方を「デジタル前提」に変更

 デジタル、規制改革、行政改革担当大臣の牧島かれんです。本日は日本のデジタル改革と、それを担うデジタル庁の多様性についてお話します。

基調講演を行う牧島かれん氏
基調講演を行う牧島かれん氏

 日本では2000年以降、様々な戦略によって良質な情報中心ネットワーク環境が整備されてきました。一方、業務の見直しはされないまま、デジタル化が進められてもおります。また、新型コロナウイルス対応においてすべての分野に通じる本質的課題が浮き彫りになりました。

 例えばワクチン接種状況や子どもの困窮実態の把握が十分にできていない、自治体間のデータ連携に課題がある、オンライン診療、オンライン教育に課題が多いこと。さらには、対面、常駐、目視点検規制があることや、デジタル人材が不足していることなどです。便利なサービスをすぐにお届けできるよう、デジタルを前提とした仕事のやり方に変えていかないといけません。

 具体的には場所や年齢、障がいの有無などを問わず、官民の提供する各種の手続きやサービスをスマートフォンでワンストップで行うことができる。出生・子育て・就学・介護などで必要な手続きについて、最適なタイミングでプッシュ型の通知を受けられる。豊かな自然環境に恵まれた場所から、デジタル空間で仲間とつながり、協力して仕事ができる。散在する健康情報、既往症、薬歴などを安全安心に活用し、いつでもどこでも一人ひとりの状況にあった医療福祉サービスを受けられる、などです。

 私たちデジタル庁のミッションは「誰1人取り残されない、人に優しいデジタル化を」です。このミッション達成に向け、私たちは二つの理想像・ビジョンを持っています。