「地方だからできない」ということはない

久保田 金さん、一般的に東京以外に本社を持つ企業からは「優秀な女性が都心部に流出してしまう」という悩みも聞かれます。御社は岐阜県の羽島市に本社がありますが、優秀な女性に地元で活躍してもらうために大事なことは何だと思いますか。

ARTISTIC&CO.GLOBAL代表取締役 金 松月さん(以下、金) 人材の流出は、企業が自分たちの魅力、可能性を伝え切れていないことが大きいと思います。地方企業の場合、ちょっと目立つ取り組みをすれば、実はメディアに取り上げてもらいやすい。「この会社に来たらこうなれる」というキャリア像も踏まえて、企業の魅力を積極的に伝えるようにしています

「地域からの人材の流出は、企業が自分たちの魅力、可能性を伝え切れていないことが大きい」(金さん)
「地域からの人材の流出は、企業が自分たちの魅力、可能性を伝え切れていないことが大きい」(金さん)

久保田 「地方か都会か」というのは、世界に打って出る上では関係ありませんか。

 はい。「地方だからできない」ということはないです。海外から見れば、地方でも都会でも同じ日本ですから

久保田 今、「世界に」という話になりましたが、多様性という意味では性別だけでなく、年齢や国籍も大事です。御社では外国籍の社員が24%を占めているそうですが、どうやって外国籍の社員の力を生かしていますか。

 私自身が外国籍社員の第1号として育ててもらいました。まず、外国籍だからといって特別扱いはしません。「外国籍だから電話に出られない」のではなく、「電話に出られるように勉強しましょう」というのが大前提です。「ここは日本の会社です」というところは徹底し、まずは「外国人だから」「日本人だから」という雰囲気をなくしています

 ただ、生まれ育った環境や性格が違うから、それぞれに違った個性がある。同じことをするにしても、やり方はそれぞれ違うと踏まえて、よい意味でみんなが認め合っています