2021年2月18~20日に大阪・梅田で行われた日経SDGsフェス。2日目の「SDGs教育会議~次代をつくる学び~」と題するプログラム内で開催したパネルディスカッション「関西の女性リーダー育成に活気! 産官学からのチャレンジと課題」をレポートします。

(上)同一性の高い組織で群れていては、グローバルで勝てない ←今回はココ
(下)女性の育成昇進に男性と格差「いつまでも小3生のまま」

左から、日経xwoman編集委員・羽生祥子、塩野義製薬 取締役 副社長・澤田拓子さん、大阪府四條畷市副市長・林有理さん、関西学院大学経営戦略研究科ビジネススクール教授・大内章子さん(リモートで参加)
左から、日経xwoman編集委員・羽生祥子、塩野義製薬 取締役 副社長・澤田拓子さん、大阪府四條畷市副市長・林有理さん、関西学院大学経営戦略研究科ビジネススクール教授・大内章子さん(リモートで参加)

同調性を求めているように聞こえた森氏の問題発言

日経xwoman編集委員 羽生祥子(以下、――) ジェンダー平等はなぜ企業に必要なのか、無意識の単一性や同調性の罠(わな)、女性育成の必要性などについて、皆さんにご意見・ご提案を聞きたいと思います。早速ですが、林さん、ちょうど今朝、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の橋本聖子会長誕生のニュースが出ましたが、どう思われましたか?

大阪府四條畷市副市長 林有理さん(以下、林) 個人的な感想にはなりますが、橋本さんが「女性であること」だけが、先走りするというのはどうなのかなと。男性であれ、女性であれ、オリンピック憲章を順守し、プロジェクトマネジメントできる方が就かれるのが最適だろうと。ただ、その資質が橋本さんにある・なしは、私がコメントできないことですが、適任者であればそれでいいのではないでしょうか。

大阪府四條畷市副市長・林有理さん。慶応義塾大学卒業後、2003年に新卒でリクルートに入社。2009年に『SUUMOマガジン』の編集長に。2013年に退職後は、フリー編集者や母校大学院博士課程で研究するなど、5つの肩書で活躍。育児休業中の36歳のとき、大阪府四條畷市の副市長公募に応募。1700人超の応募者から選ばれ、2017年10月に同市副市長に着任。日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2020」受賞。
大阪府四條畷市副市長・林有理さん。慶応義塾大学卒業後、2003年に新卒でリクルートに入社。2009年に『SUUMOマガジン』の編集長に。2013年に退職後は、フリー編集者や母校大学院博士課程で研究するなど、5つの肩書で活躍。育児休業中の36歳のとき、大阪府四條畷市の副市長公募に応募。1700人超の応募者から選ばれ、2017年10月に同市副市長に着任。日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2020」受賞。

―― 澤田さんは、森・前会長の発言についてどう感じられましたか?

塩野義製薬 取締役 副社長 澤田拓子さん(以下、澤田) 男性、女性という以前に、同調性、単一性を推奨していってしまうと、イノベーションが起きなくなるだろうなと思います

 イノベーションを起こそうとするときに、同じタイプの人を10人集めないですよね。当然ながら、数多くの専門性やバックグラウンドを持つ人が、1つの課題を解決するためにそれぞれの知識を持ち寄って、侃々諤々(かんかんがくがく)と議論をして構築していかなければならない。その議論をきちんとできるような場所にしていけば、ジェンダーに関係なく、本当に必要な能力を持っている人が、役職に就いたり、リーダーになっていくと思います。

 意見を言って議論をし、違う意見をいかに取り入れてイノベーションに結びつけていくかが要求されているので、そのためには時間配分も重要ではありますが、「会議が長くなるかどうか」よりも、その会議で何が議論され、結果として、何が得られたかということが、重要視されるべきです。

 そんな社会になると必然的に多様性は進んでいくでしょうし、ジェンダーの平等性は進んでいくはずと考えています。その観点から、(森さんの発言は)同調性を求めているように聞こえてしまったという点にかなり課題があるように思っています。