同一性の高い組織で群れていては、グローバルで勝てない

―― 以前、澤田さんは日本の組織の癖として「群れること」を挙げ、群れない人が経営層から弾き出されてしまう。それでは、グローバルで勝てないと指摘していましたよね。

澤田 弊社のトップは決して、いわゆる群れるタイプではないのですが(笑)。日本の一般的な会社は縦の組織で、経験等も含めて同質の人たちのなかで仕事をすることに慣れている人が多い。その縦の組織で1部署、ないしは2~3部署を経験しただけの人が上に上がっていくと、罠に陥るだろうなと。

 と言いますのも、グローバルに出ていくと、会議のなかで何を発言し、貢献したかということが重要になってきます。強みを持っていることがまず必要ですが、議論のなかで、その強みをベースに、相手にも分かるように論点を整理して自身の意見の理由や背景を説明できなければいけません。いつも同調しているだけですと、「この人と議論しても仕方ない」と思われがちです。

 そのため、同調性が高く、あうんの呼吸で全てが決まり、会議ではほとんど発言しない人もいる、という組織では、グローバルでは通用しないと思います。

塩野義製薬 取締役 副社長・澤田拓子さん。京都大学農学部卒業後、塩野義製薬会社に入社。以後、30年以上にわたり医薬品開発や経営戦略に携わる。専務執行役員グローバル医薬開発本部長、取締役上席執行役員経営戦略本部長などの要職を歴任。2018年より現職の取締役副社長兼 CIO を務め、2020年4月よりヘルスケア戦略本部長を兼任する。
塩野義製薬 取締役 副社長・澤田拓子さん。京都大学農学部卒業後、塩野義製薬会社に入社。以後、30年以上にわたり医薬品開発や経営戦略に携わる。専務執行役員グローバル医薬開発本部長、取締役上席執行役員経営戦略本部長などの要職を歴任。2018年より現職の取締役副社長兼 CIO を務め、2020年4月よりヘルスケア戦略本部長を兼任する。

「女性だから」「男性だから」と型にはめない育成が鍵

―― ありがとうございます。林さんは市役所にいらっしゃいますが、組織にジェンダー平等は必要だと思いますか?

 今、非常に悩んでいるテーマです。これは市の組織図になりますが、赤く印をつけているのが、女性の管理職が率いている部署です。女性が集中しているのが、企画、広報部門、子ども・子育てに関連した部門。都市整備や総務部には女性課長がいないのが現状です。それぞれの組織を見ても、女性比率にかなりの差が出ています。

四條畷市の組織図(平成31年4月1日現在)。林さんを筆頭に、女性がリーダーを務める部署が赤でマークされている。
四條畷市の組織図(平成31年4月1日現在)。林さんを筆頭に、女性がリーダーを務める部署が赤でマークされている。

 今ここで、「すべての部門で男女比を50%に」と掲げることはありませんが、女性だから細やかな視点で子どもを見られるよね、などと型にはめるのは違うかなと。あえて他のポジションにつけて育成をしてみることも必要なのではないか、と考えています。男性だから、女性だから、という育成ではなく、全員に対してそれぞれの個性を認める育成の仕方が必要なのだろうと。また、そのチャンスをどのように適正に割り振っていけるのか。今、まさに悩んでいるところです。