中長期の成長の源泉となる技術をどう事業につなげるか

―― 2021年4月に総合技術研究所のセンター長、22年4月には女性初のCTOに就任しました。まずは総合技術研究所およびセンター長の役割を教えてください。

香林 総合技術研究所の位置付けは、BIPROGYの中のR&D(研究開発)部門になります。5~10年先に実用化される技術、すなわち中長期の成長の源泉となる技術を育てることが役割です。例えば、量子コンピュータの実用化は早くて2030年、2040年といわれていますが、実用化を見据え量子ソフトウエアや量子アルゴリズムに関する研究を進めています。

 総合技術研究所には2021年度現在、48人のスタッフがいますが、あれもこれも研究できるわけではありませんから、全体を俯瞰(ふかん)し、その中から注力する研究開発の方針をセンター長として意思決定しなければいけません。

 また外と広くつながっていくことも必要です。国内の大学はもちろんのこと、海外の大学や先端研究機関とどういう研究のエコシステムがつくれるか。そういったことも考えなければなりません。

―― センター長に指名された時の感想は?

香林 前任者が10年担当していて、幅広い知見と人脈を持ち「あの人の後任はいないね」なんて言われていました。私もそう思っていたので、「えっ、なんで私が?」という感じでした。

 ただ、中長期の成長の源泉となる技術をどう事業につなげるかを課題と考えれば、それに応えることができるかもしれない。実際、何人かに「香林さんが所長になれば、研究所の活動がよく見えるようになるかもしれない」「一緒にやれることがあるかも」と言ってもらえました。社長には「中核人材にジェンダーダイバーシティを」という考えがあったようですが。

多くの方々と対話を重ね、グループ間連携も進める

―― それではCTOの仕事はどんな内容になりますか。

香林 CTOは研究開発技術から商品・サービスに組み込み提供する技術まで、当社が取り組む技術全体について、経営戦略や事業戦略に沿った技術方針の策定や戦略実行を統括するのが主な仕事です。サービス提供業務を統括するCDO(最高デジタル責任者)もいますので、CDOとも対話を重ねながら進めていくことになると思います。

―― CTOとしての意気込み、今後チャレンジしたいことを聞かせてください。

香林 いろんな領域の技術があり、当社や当社のお客様の成長につながる技術としてどれを選ぶかとなった時、自分だけではやれないことは明らかだと思っています。技術にたけたエンジニアの力を借りたり、どれだけたくさんの人たちと対話したりするかが大切になります。社内はもちろんのこと、我々の技術に期待してくださるお客様や、パートナ―企業、大学や研究機関と、とにかく対話を重ねていきたいと考えています。

 グループ会社のユニアデックス(東京・江東)にもCTOがいて、先日話をしました。「CTOといっても各社それぞれのカラーがあるし、自分のやり方でやったらいい。これから意見交換をしていきましょう」と言ってもらえましたので、テクノロジーのグループ間連携も行っていきたいと思います。

「社内はもちろんのこと、我々の技術に期待してくださるお客様や、パートナ―企業、大学や研究機関と、とにかく対話を重ねていきたいと考えています」
「社内はもちろんのこと、我々の技術に期待してくださるお客様や、パートナ―企業、大学や研究機関と、とにかく対話を重ねていきたいと考えています」