D&I実現に向けた4ステップを設定

中田 弊社は、製造の現場と技術系が中心ということもあり、会社全体の女性比率は約14.4%、管理職以上の女性比率も7.5%と少ない状況です。そもそも技術系の女子学生自体が少ないため、苦労はありますが、少しずつ採用を増やすと同時に、社内の女性社員を育てることに注力しています。「多様な人たちが生き生きと働いて活躍する」というゴールに向け、4段階に分けて、それぞれのステップで取り組みの課題を決めています

D&I実現のステップを4つに分け、立ち位置を確認しながら実践していく(三菱ケミカルの投影資料より)
D&I実現のステップを4つに分け、立ち位置を確認しながら実践していく(三菱ケミカルの投影資料より)

羽生 ゴールまでの道筋を4段階に分け、現在地を示しながら進めていくやり方は、とても分かりやすいですね。続いて梅木さん、PwCでの取り組みについて教えていただけますか?

働く人材こそが企業の財産

PwC Japanグループ ダイバーシティリーダー PwCあらた有限責任監査法人 パートナー梅木典子さん(以下、梅木) PwCは、さまざまな専門家を有する総合プロフェッショナル・サービス・ファームとして、世界156カ国で29万5000人以上のスタッフを擁しています。PwC Japanグループには約9400人のスタッフがおり、会計監査をはじめとする保証業務やコンサルティングなどの専門的な業務を提供しています。

 プロフェッショナル・サービス・ファームである私たちが、なぜダイバーシティを推進するのか。それは、私たちのパーパス(存在意義)である「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決すること」が深く関わっています。変化の激しい時代に、ますます複雑で高度になる社会課題を解決していくためには、異なるスキルセット、専門性や経験を持つ多様な人材がパワーを発揮していくことが必要不可欠。私たちの財産は、そこで働く人材がすべてなのです。このため、ビジネスの推進ドライバーとしてダイバーシティを位置付けています。昨年から、ダイバーシティよりもインクルージョン(包摂性)のほうがより重要だという考えに基づき、D&IからI&Dに名称を変えました。

「PwCのパーパスを実現するためには、専門性や経験を持つ多様な人材がパワーを発揮していくことが必要不可欠」(梅木さん)
「PwCのパーパスを実現するためには、専門性や経験を持つ多様な人材がパワーを発揮していくことが必要不可欠」(梅木さん)

羽生 最近、企業から「I&Dに変えた」という声を聞くことが増えてきました。「もうダイバーシティはやり遂げた」という宣言なのでしょうか?