インクルージョンがないと「烏合の衆」

梅木 やり遂げたというわけではなく、ダイバーシティが本来の力を発揮するには、インクルージョンがより重要だということだと思います。考えが異なる人たちが寄り集まって形式的にダイバーシティの状態になっていても、そこにインクルーシブな風土がないと、単なる烏合の衆になってしまいます。

 PwCのダイバーシティの取り組みの根底にあるのが、「Be yourself. Be different.」というスローガンです。一人ひとり違っていることに価値がある、あなたらしくていいんだよという意味ですが、私自身、この考え方に救われた経験があります。実は、2009年に監査法人のパートナーに就任した頃、肩に力が入り、余裕をなくしかけていたのですが、このスローガンに出合ったことで、「私らしくやればいい」と励まされました。

PwCは、一人ひとり違っていることに価値がある、という意味の「Be yourself. Be different.」というスローガンを掲げる(PwCの投影資料より)
PwCは、一人ひとり違っていることに価値がある、という意味の「Be yourself. Be different.」というスローガンを掲げる(PwCの投影資料より)

羽生 すごくいい言葉ですね。続いて中田さんに伺います。三菱ケミカルでダイバーシティを推進する上で、最初に着手したことは何だったのでしょうか。

中田 経営幹部を含むメンバーで女性活躍推進について話し合う「ウィメンズカウンシル」を立ち上げました。そこで会社の課題について議論をした結果、「働きやすい環境ではない」「両立の負担や不安」といった内容以外に、「キャリアが描きにくい」「評価・役割期待が不明確」など、女性だけの課題ではない項目も挙がりました。そこで、女性の課題については「ウィメンズカウンシル」で、それ以外は全社の経営課題として取り組むという両輪で進めてきました。

羽生 こうした取り組みを進めていく上では、体制づくりが大切だと思うのですが、お2人は、どのあたりがポイントになると思いますか?

中田 経営層を巻き込んで、自分の問題としてしっかり取り組んでもらうことだと思います。「ウィメンズカウンシル」のメンバーも、社長をトップに、役員や本部長クラスで構成されています。