年功序列を廃止し、新しい評価手法へ

羽生 年功序列が廃止されるということでしょうか?

中田 もちろん経験は大事だと思っています。それによって高いパフォーマンスを発揮できるのであれば、その能力に応じた役割を担っていただくことになります。ただ、年齢が高いからとか経験が長いからという理由で役割が決まるわけではありません。

羽生 社内の反発や衝突はありませんでしたか?

中田 制度の運用に関して修正をかけなくてはいけない部分もありますが、理解は進んでいると思っています。先日も社長のもとに、従業員から「女性で高卒なのですが、いろんなことに挑戦できる。今まで頑張って働いてきて本当によかった」というメールが届きました。また、社内公募制度を導入したことで、「自分でキャリアを選んでいける」「キャリアを自分ごととして真剣に考えるようになった」などのポジティブな声もあがっています。一人ひとりをしっかり見ながら育成し、評価をしていくということが求められているんだと思います。

諦めずに何度も対話を繰り返す

羽生 ありがとうございます。最後に、現在ダイバーシティを担当している方や、興味のある方などに向けて、励ましのメッセージをお願いできますか?

梅木 10年間、ダイバーシティの推進をやってきましたが、「近道はない」というのが答えだと感じています。人々の価値観や考え方はどんどん柔軟になってきていますから、若い人たちを巻き込みながら理解者を増やしていくことが、成功の秘訣だと思います。時間はかかるかもしれませんが、諦めず、一人ひとりに自分ごととして受け止めてもらえるように、何度も対話を繰り返していくことが大切です。

中田 周囲を巻き込み、支えてもらいながら一緒に進めていくことで、ダイバーシティが大きなうねりになっていくと思います。たとえ大変なことがあっても、後から振り返ると、すべてがいい経験になるはずです。ですから、どうか自信を持って、くじけずに、一歩一歩進んでいただきたいです。


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文/西尾英子