ダイバーシティチームが経営の再生に寄与

久保田 続いてルカさん、ダイバーシティを推進することによる企業のメリットは何だと考えますか?

エリクソン・ジャパン代表取締役社長 ルカ・オルシニさん(以下、ルカ) 4つあります。まず、イノベーションです。私たちは、最先端のテクノロジーを提供している会社です。イノベーションがなければ、新しいアイデアを出し続けていくことができず、会社は死んでしまいます。同じ考えのメンバーが集まったグループではマンネリ化し、慢心してしまいます。

「同じ考えのメンバーが集まったグループではマンネリ化し、慢心してしまう」とルカさん
「同じ考えのメンバーが集まったグループではマンネリ化し、慢心してしまう」とルカさん

 一つの例を紹介しましょう。実は、私がこの仕事に就く前、当社のマーケットシェア、財務状況、収益性、売り上げなどは、すべて悪化している状況でした。テクノロジーのリーダーシップさえもなくなりかけていました。原因は、コストにありました。私たちのブランドは質が高く強じんですが、コストが高かったのです。思い切って状況を変える必要がありました。

 そこで、40~50人のメンバーを集めてダイバーシティに富んだチームをつくり、女性がトップに立ち、数カ月間かけて話し合いました。非常に厳しい道のりでしたが、私たちはパフォーマンスを維持したまま、コストを50%下げました。それにより、私たちはマーケットをもう一度取り返し、売り上げと収益の両方を上げることができたのです。

 もちろんすべての結果をこのチームがもたらしたとは言いませんが、ダイバーシティのある、そしてクリエイティビティのあるチームが声を大にして伝えたことにより、会社は再生したのだと思います。そしてもう一つ、ダイバーシティの効果として重要な点があります。

久保田 それは何でしょうか?

ルカ 意思決定の過程です。声の大きい人たちの意見ばかりが通ってしまうと、間違った決定になりかねません。こうした例は、世界にもたくさんあるのではないでしょうか。誰もが声を上げ、自由にアイデアを出すことができ、互いに評価し、試行錯誤する。つまり、ダイバーシティのある環境で意思決定をするほうが、よりよい持続可能なビジネスを実現できるということです。