ダイバーシティがあるほど従業員満足度も高い

ルカ また、私たちは従業員を非常に重要視しており、年に2回、エンゲージメント調査をしています。科学的に見ても、このエンゲージメントは非常に重要で、ダイバーシティとの相関関係があります。考え方や経験などいろいろな面でのダイバーシティがあるほど、従業員満足度も高いのです。

 従業員がハッピーであれば、顧客に対しても良いサービスができます。ここ数年、人々が仕事をする時、お金が欲しいからというよりも、自分たちの夢が実現できるからといったパーパスを持って入社してくるようになりました。つまり、自分にとって重要な価値観を実現しているかどうかで会社を選ぶようになってきたわけです。

ダイバーシティには4つのメリットがあり、いずれも強い組織づくりや優れたパフォーマンスに貢献するとルカさん。エリクソン・ジャパンの投映資料より
ダイバーシティには4つのメリットがあり、いずれも強い組織づくりや優れたパフォーマンスに貢献するとルカさん。エリクソン・ジャパンの投映資料より

久保田 ダイバーシティはイノベーションを生み出し、意思決定におけるミスを減らすだけでなく、従業員の満足度や定着率も高めるということですね。本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました。最後に、お二人から日本の女性に向けてメッセージをお願いします。

 企業のイノベーションを促進し、生産性を最大化することで、社会に貢献できる企業になるためにDEIがある。私たち個人にも同じことが言えると思います。

 自分一人で知識やスキルを向上し、物事を達成することには限りがあります。「こうあるべきだ」という無意識の同調圧力や固定観念にとらわれていると、自分の可能性を試すことができません。個性や経験を生かし、様々な人から学んで互いを認めてサポートし合い、周囲とつながることで、一人では考えつかなかったことやできなかったことが実現できる。それは、まさにDEIが生み出すイノベーションであり、DEIは世の中を変える力を持っているということです。

ルカ ダイバーシティとインクルージョンは社会全体で考えていかなくてはいけないと思います。企業がD&Iを実現し、従業員が自信を持って「この会社で仕事をしたい」と考えられるようになれば、世界がより公平で平等なものになっていくと思います。

 人口で見ると、男女の数はほぼ同じですから、まずは比率の平等化を実現していかなければなりません。より野心的な目標を立てて目指すことも重要です。それが会社にとってよりよいビジネス、よりよい環境、そして成長をもたらします。日本には素晴らしい能力を持った女性がたくさんいます。その才能を生かすことで、非常にいい環境が生まれるでしょう。こういったイニシアチブの力をこれから先も強めていかなければならないと思います。


 前編「理系、営業に女性どう増やす?グローバル2社経営陣討論」も合わせてお読みください。

文/西尾英子